2019 Fiscal Year Annual Research Report
Coastal Resource Management and Natural Disaster Recovery for Empowering Marginalised Communities in the Philippines
Project/Area Number |
17K02057
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
瀬木 志央 甲南女子大学, 文学部, 講師 (30752729)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 災害資本主義 / 災害復興 / 新自由主義 / 沿岸資源管理 / 観光開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
2013 年にフィリピンにて甚大な被害を与えた、巨大台風ハイヤンにより高波被害を受けた地域を事例に、本研究はポリティカル・エコロジーの視点から、①被災から復興のプロセスとアクターの動向、②自然災害と沿岸資源の利用・管理に関する言説と実践、③より社会正義に配慮した資源管理と復興のあり方について考察している。 最終年度である本年度はフィールドワークと研究成果の発表に重点を置き研究活動を進めた。 フィールドワークは、他地域における状況を参考にしつつ上記③について検討するため、7月24日から8月5日にかけてバヌアツ共和国を訪問し調査を実施した。バヌアツの沿岸村落は近年サイクロンにより壊滅的な被害を被り、現在復興の途上にある。 フィリピンでは、引き続き「災害資本主義」の様相を呈する巨大台風・ヨランダによる被災後の開発ブームと沿岸資源管理の強化について、8月7日から8月30日にかけてフィールドワークをおこなった。調査では、主な調査地であるセブ州サンタフェ町の他、ネグロス・オキシデンタル州カディス市、セブ州ピラー町、ボホール州ダウイス町にて実施した。また本研究テーマの副次的トピックとして固形廃棄物処理に関する調査についてもおこなった。なお、本年2月にサンタフェ町での調査報告会を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大のため訪問を急遽取り止めることとなった。 研究成果の発表については、2019年6月25日から28日にかけてアムステルダム大学で開催された国際会議MARE People and Sea Confernece X、11月30日から12月1日にかけて開催された地域漁業学会にて単独報告をおこなった。また2020年2月に「日本の科学者」誌(2020年3月号)、3月に勤務校紀要にて本研究に関する成果を発表した。
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Research Products
(4 results)