2018 Fiscal Year Research-status Report
共生の技法としてのユニバーサルツーリズムの理論と実践
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17K02106
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Research Institution | Hyogo Earthquake Memorial 21st Century Research Institute |
Principal Investigator |
石塚 裕子 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 研究戦略センター, 主任研究員 (80750447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 浩二郎 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 准教授 (20342644)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インクルーシブ / 合理的配慮 / 当事者主体 / Accessible Tourism / クロスディサビリティ / 観光と災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度までの成果である、ユニバーサルツーリズムの「共生の技法」を援用し、観光と災害の関係性ならび、災害復興過程において「共生の技法」を援用した実践研究を行った。 前者については、観光地におけるユニバーサルデザインの取り組みが災害時の環境整備に応用できることを論理的に説明するため、関連文献調査、先行研究調査、事例調査を行い、「災害時おける移動困難者の配慮を考える」と題したセミナーを関係機関と共同開催(2019年2月27日)し、公共交通機関等における災害時の共生の技法とは何かと題して報告した。 後者については、2018年7月に発生した西日本豪雨の被災地である倉敷市真備町において、精神障害者のNPO法人を研究パートナーとし、事業者、住民との恊働実践行っている。「共生の技法」を援用して、当事者と支援者、住民、行政との間に生まれるコト、モノについてアクションリサーチを実施している。 また、これまでの研究から導きだされた「クロスディサビリティ」について、本研究のフィールドである福島県いわき市のユニバーサルツーリズムセンターにフィードバックし、肢体不自由者と視覚障害者の恊働によるモデルルアーの検討に着手し、現地調査、検討会議等を行った。 さらに、高齢者、障害者交通に関する国際会議において、昨年度の成果を発表するとともに世界のAccessible Tourismの情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたフィールドである福島県いわき市では、研究パートナーの法人の体制がなかなか整わなかったため、研究が遅れていたが、2018年度後半にようやく整い、恊働研究を再開した。 さらに、本研究のテーマである「共生の技法」の援用先として豪雨災害の被災地である倉敷市真備町を新たなフィールドとし、障害当事者との恊働研究体制が構築され、大きな成果を得ることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年からの恊働研究の中間報告として2019年7月6日にセミナーを開催し社会還元する。さらにENAT(Eoropean Network for Acessible Tourism)が2019年10月に開催する国際会議で、これまでの研究成果を発表するとともに世界動向の把握を行う。 これまでの学会発表論文を雑誌論文としてとりまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
フィールド(福島県いわき市)への出張回数が少なかったため。来年度に繰り越し、旅費として使用する予定である。
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