2018 Fiscal Year Research-status Report
アフリカのエコリゾートによる地域貢献の可能性――タンザニア、モザンビークを事例に
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17K02126
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
中嶋 真美 玉川大学, 文学部, 教授 (80555409)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エコリゾート / エコロッジ / タンザニア / モザンビーク / 持続可能な観光 / エコツーリズム / 環境配慮型 / 地域貢献 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は環境配慮型観光ビジネスであるエコリゾート(ER)を取り上げ、ERによる環境配慮型観光の可能性と影響力について、タンザニア(TZ)およびモザンビーク(MZ)を事例に学際的視点から検証、考察する。 【研究手法】 (1)文献調査による観光動向等の各関連分野の既存研究の到達点確認 (2)現地聞き取り調査・参与観察の実施(3)現地調査の結果整理及び解析【調査実施地域】TZアルーシャ州/MZイニャンバネ州【調査対象者】ER事業関係者(経営主体、被雇用者等)、関連観光業従事者、各支援団体(NGO)【調査内容】(1) ER運営の各利害関係者に対する地域発展貢献に関する現状把握 (2)その他の機会創出の有無、(3)滞在観光客の観光動向・志向性の把握 【研究成果の意義・重要性】2018年度調査では外部と地域社会との協働型アプローチである点を重視し、観光現象による地域変化が生じる場としてのエコロッジの役割に着目した。また「よそ者」と位置づけられる外部者が事業運営にどのように関与し、また地域社会との関わりを持続しているのかに焦点を当て研究を行った。協働型アプローチを採用する調査事例から外部者が所有するがゆえの地域貢献メリットを確認することができた。ただし、よそ者の他者性をどのように捉え地域改善に生かしていくのかについては複数事例を通じた検討の継続が必要である。ERを通じた地域貢献のための具体的提言に向け、複数事例を比較し継続調査を実施する意義は大きいと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度は調査地とのスケジュール調整の結果、現地調査期間を短縮して実施せざるを得ない状況があった。結果として2017年度にタンザニアから1事例、2018年度にモザンビークでの1事例を取り上げるにとどまっている。昨年到達できなかった2カ国からの事例を通じた比較検討、分析については本年度において可能となり、その内容(成果)発表は日本国際観光学会での学会口頭発表、及び学会誌での公表に至っている。ただし、研究期間全体としての研究達成度は当初の予定より若干の遅れが見られる状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、研究計画にある予定から大きく外れることなく研究を推進する予定である。2018年度には8月と翌2月の計2回の調査渡航を予定していたが1度の実施となったため、2019年度に2回の渡航を計画している。また、2018年度の研究成果と今年度8月の調査結果を合わせて、年度内に2回~3回の成果発表(口頭及び学会誌投稿)を予定している。昨年度の反省を生かし今年度はスケジュール調整に早期から取り組み、また現地調査協力者との連携による研究実施の円滑化を心掛けたい。
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Causes of Carryover |
2018年度は学事の都合により、当初の計画よりも現地調査(滞在)の滞在期間及び国内エフォートを減少せざるを得ない状況にあった。その結果として経費支出が減少した。 2019年度は原則的には本来の研究計画に則り、経費支出を遂行する予定である。また、繰り越された助成金については、2018年度に実施できなかった現地調査の実施経費(移動費、滞在費、研究協力者謝金等)の一部および国内研究活動経費の一部として使用する予定である。
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