2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of Psychosomatic Theories and Mantra Theories in Indian Esoteric Buddhism: A Philological Study of Sanskrit Manuscripts of the Abhidhānottaratantra
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17K02216
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉木 恒彦 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (40422349)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インド密教 / 密教学 / アビダーノーッタラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、インド密教経典『アビダーノーッタラ』におけるマントラと心身相関ヨーガに関する複数章のサンスクリット語校訂テキストと英訳を刊行することである。初年度となる本年度の目標は、イギリスとインドへの出張(海外旅費使用)等により必要な一次資料と二次資料を補充し(物品費等使用)、該当章全てのサンスクリット語校訂テキストと英訳を作成・整備し精度を上げ、研究成果の一部を国内学会で口頭発表し(国内旅費使用)、公開性ある学術誌で刊行することである。 これらの目標は実質的に達成されたと自己評価している。まず、海外・国内からの一次・二次資料の収集を順調に進めることができた。イギリスへの出張を行わなかったが、それはイギリスに保管されている資料をイギリスに行かずに入手することができた(先方のご厚意により送付して頂けた)からである。それにより浮いた分の旅費を用いて、図像資料撮影に有益なカメラ(物品費使用)を購入した。また、『アビダーノーッタラ』の該当章のうち、マントラに関連する複数章のサンスクリット語校訂テキストと英訳については、それらの整備をほぼ完成と言える段階まで進めることができた。さらに精度を高めたうえで、平成30年度秋に、それらサンスクリット語校訂テキストと英訳をWeb上で公開性ある学術誌(査読付)に投稿する予定である。また、研究成果の一部を、7月に開催されるWorld Sanskrt Conference(ヴァンクーバー、カナダ)で口頭発表する計画(発表確定)である。本年度までの研究成果の発表も、予定通り、国内学会(智山教学大会と西日本インド学仏教学会)で口頭発表し、公開性ある学術誌(『智山学報』と『早稲田大学高等研究所紀要』)に英語にて刊行することができた。 以上のように、本年度の研究計画を実質的に予定通り遂行し、来年度の計画の実行へと確実につなげることができたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
必要な資料を収集し、本研究計画が扱う『アビダーノーッタラ』の該当章全体のサンスクリット語校訂テキストと英訳の整備を進め、それらのうち特にマントラに関連する複数章の校訂テキストと英訳については完成に近い段階まで進めることができ、来年度の発表へとつながることができたため、「おおむね順調に進展している」と自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度に、『アビダーノーッタラ』のマントラに関連する複数章のサンスクリット語校訂テキストと英訳を、公開性ある学術誌(査読付)に投稿する。また、研究成果の一部を、7月に開催されるWorld Sanskrt Conference(ヴァンクーバー、カナダ)で口頭発表する。同時に、『アビダーノーッタラ』の心身相関ヨーガに関連する複数章の校訂テキストと英訳の精度を上げていき、平成31年度に予定している学術誌投稿へとつなげていく。
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Research Products
(4 results)