2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Psychosomatic Theories and Mantra Theories in Indian Esoteric Buddhism: A Philological Study of Sanskrit Manuscripts of the Abhidhānottaratantra
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17K02216
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉木 恒彦 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (40422349)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アビダーノーッタラ / マントラ / 心身相関 / タントラ / 南アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は10世紀頃編纂のインド密教経典『アビダーノーッタラ・タントラ』のうち第14、37、50、51、52、58、59章の世界初の梵語校訂テキストと英語訳注と、それらの章の内容(心身相関論・マントラ論)の思想分析を行う英語論文を刊行することである。本最終年度では第14、50、58章の梵語校訂テキストと英語訳注を完成させた。これにより、本研究が目的とする全ての章の基礎研究を完了したことになる。加えて、第57章の梵語校訂テキストと英語訳注も完成させた。第57章は、すでに海外の研究者により部分的にテキストが刊行されているが、問題があるため、また第58章との関連が強い章であるため、当初の予定に加えて扱うことにした。 これら第14、50、57、58章のうち、第57、58章の梵語校訂テキストと英語訳注は内容分析とともにすでに英語論文の形で2020年3月に刊行に至り(Sugiki 2020)、現在、ウェブ上で一般公開されている。内容分析においては、これまで指摘されなかったそれらの章とシヴァ教文献の部分的な関わりを指摘することもできた。第14、50章については今年度に投稿・刊行の予定である。また、本研究が扱う上述合計8つの章の内容全体を横断的に扱った思想研究論文を英語論文(題名Transgressive Appearances and Inner Meanings)としてすでに完成させ、国際的な学術書籍(Transgression and Encounters with the Terrible in Buddhist and Shaiva Tantras[予定書名], Brill)に投稿済み(査読はこれから)である。その他、上述8つの章の内容の一部を用いた論文も複数刊行することができた。
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Research Products
(9 results)