2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K02293
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
配川 美加 日本女子大学, 文学部, 研究員 (10787344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高桑 いづみ 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 未登録, 特任研究員 (60249919)
坂本 清恵 日本女子大学, 文学部, 教授 (50169588)
星野 厚子 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 客員研究員 (90727182)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 長唄 / 英執着獅子 / 一節切 / 旋律 / アクセント / 狂イ合方 / 能 / 石橋 |
Outline of Annual Research Achievements |
5月2日、日本女子大学で第1回研究会を行い、研究計画と予算を確認。6月13日、第2回研究会で星野が修士論文「初期長唄における『石橋物』の作品研究」を詳述し、研究対象曲の長唄《英執着獅子》とその周辺について討議。6月30日、第3回研究会で配川が、長唄「石橋物」における能〈石橋〉の影響について発表。後、討議。7月8日、梅若能楽学院会館で行われた楽劇学会第25回大会で配川が「近世邦楽における獅子―長唄を中心に―」として《英執着獅子》の「狂イ合方」における能〈石橋〉の囃子〈獅子〉の影響を中心に講演。その後、星野を含む4人の演奏家が《英執着獅子》の演奏を行った。 8月17日・9月22日、第4回・第5回研究会を行い、《英執着獅子》について坂本を中心にアクセントの分析。その間の8月24・25日には愛知県西尾市岩瀬文庫で長唄正本、能楽囃子伝書などの資料調査。 11月9日・1月19日、長唄三味線方の人間国宝、今藤政太郎氏宅で、《英執着獅子》などに残る上方アクセントや今藤流の伝承について同氏の話を聴取。 12月19日・1月16日、日本女子大学のスタジオで、研究対象曲《隈取安宅松》など4曲を稀音家義丸氏・星野ら3人が演奏し録音。 2月7日、第6回研究会で、江戸時代後期の一節切の楽譜『糸竹五色貝』に残された長唄《相生獅子》のうち、《英執着獅子》と共通する部分の復曲について高桑を中心に検討。3月1日・8日に東京国立文化財研究所で一節切の復元演奏を試み、3月13日、日本女子大学文学部・文学研究科学術交流企画シンポジウム「長唄における獅子物―二つの系譜―」で、「1、能楽系の獅子―一節切から蘇るクルイの古譜―」として、高桑が講演。一節切による《相生獅子》の復活演奏を行った後、「2、もう一つの獅子物―歌舞伎音楽の獅子」として配川が講演。河東節・清元節・長唄の演奏を基に神楽・角兵衛獅子の旋律比較を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、研究の初演度ということもあって、当初計画した研究方法に加え、長唄三味線方今藤政太郎氏への聴取や、長唄唄方稀音家義丸氏の演奏を録音するなど、研究の土台となる情報収集を行った。また、長唄の旋律形成に大きく関わる旋律型の引用についても調査を行い、シンポジウムの形で発表した。 一方、当初の計画通り、アクセント研究では対象曲を《英執着獅子》に絞り、唄と三味線部分について、詞章に伴うアクセントが古い京阪式・現代の京阪式・古い東京式・現代の東京式のいずれに該当するかの分析を行った。さらに、江戸時代の長唄の旋律を残す一節切の譜『糸竹五色貝』の解読や復元演奏を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、正本・楽譜・録音資料を収集した上で、まず、《英執着獅子》についてアクセントの分析を完成させる。また、《英執着獅子》と共通部分を持つ《相生獅子》《枕獅子》が一節切の譜『糸竹五色貝』に残っているので、その部分の一節切による復元演奏を試み、江戸時代のアクセントについても分析を行う。 次に、《鷺娘》について『糸竹五色貝』の復元演奏を試み、現在伝承されている曲と江戸時代の曲の相違点を踏まえた上で、アクセントの分析を行う。 さらに、《隈取安宅松》について、能〈安宅〉の詞章と共通する部分を中心にアクセントを調べ、能楽の影響や当時のアクセントがどのように長唄に反映されたのかを考察する。 また、《越後獅子》についてもアクセントの分析を行い、作曲当時、どの地域の影響を強く受けたのか、などについて考察を行う。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、坂本と配川がマイクロソフトオフィスを日本女子大学からインストールできたため、物品費のうち消耗品費の支出を少なく押さえることができた。また、SPレコードのデジタル化を行わなかったため、そのための謝金の支出もなかった。しかし、研究の土台となる情報収集(演奏家からの聴取・演奏の録音)のため、その分は謝金に充てることとなった。一方、資料複写代は少額で済み、残金を中心に次年度に繰り越すことになった。 今年度は、昨年度予定していた分も併せてSPレコードデジタル化を行うため、繰り越し金の一部をその費用に充てる。また今年度も、長唄演奏家への聴取や一節切演奏家の復元演奏に対する謝礼として、繰り越し金の一部を上乗せして人件費・謝金に充てる。
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Research Products
(3 results)