2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K02423
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
白井 伊津子 淑徳大学, 総合福祉学部, 教授 (40323224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平舘 英子 (平舘英子) 日本女子大学, 文学部, 研究員 (00099269)
西 一夫 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20422701)
藤井 雅子 日本女子大学, 文学部, 准教授 (20440084)
谷口 孝介 筑波大学, 人文社会系, 教授 (40272124)
岩田 芳子 日本女子大学, 文学部, 助教 (90732967)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 性霊集 / 性霊集便蒙 / 空海 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まず【文献調査】として、昨年度に引き続き、智積院に所蔵する運敞自筆本『性霊集便蒙』を調査する機会を得た。調査に当たった出典考証班を中心に、書誌情報を各巻ごとに抽出し、一覧可能な形でひとまず集約した。これにより、運敞を中心とする学僧集団による総合研究の成果として、『性霊集便蒙』を位置づけていくことの可能性を見出すこととなった。 【出典考証】班は、前年度に引き続き、『性霊集便蒙』に引用される出典の、その出典ごとに妥当と判断される原典にあたり、引用箇所との異同を確認しながら、直接的な引用なのか、類書からの引用なのかについても、注意を向けて「出典考証一覧」の作成を継続して行っている。 【比較研究】班は、他の研究プロジェクトと共同して、公開シンポジウム(2018年8月、奈良女子大学古代学・聖地学研究センター主催 第14回若手研究支援プログラム「仮名文字」、奈良女子大学)、また合同研究会(2019年3月、平成30年度 奈良女子大学大和・紀伊半島学研究所 一般共同研究「空海の漢文書簡にみられる書儀及び正倉院文書表現の受容実態の解明」、日本女子大学)を開催した。 さらに合同研究会を都合6回開催し、『性霊集』の詩の表現分析を進めた。六朝や唐代の詩文は当然ながら、「大日経疏」といった真言宗関係の経典など、仏典も対象として、譬喩表現や対句表現との関係性、平仄、韻律の問題など、多面にわたって検討を加え、考察を深めることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者、分担者それぞれが、研究班ごとに研究を分掌し、計画に沿っておおむね進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、最終年度を迎えるため、本研究課題の主たる目的である『性霊集便蒙』の「出典考証一覧」のひとまずの完成をみるべく、取り組みたい。
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Causes of Carryover |
理由としては2点挙げられる。(1)当該年度中に資料の入手を試みたが、所蔵図書館の都合により困難であった。(2)校務により、予定していた調査や研究会に参加できない分担者がいた。(1)については、次年度にすみやかに執行の予定である。(2)については、これまで同様、分担者間で担当範囲を変更するなど、柔軟な対応をとることとする。
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Research Products
(14 results)