2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K02423
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
白井 伊津子 淑徳大学, 総合福祉学部, 教授 (40323224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平舘 英子 (平舘英子) 日本女子大学, 文学部, 研究員 (00099269)
西 一夫 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20422701)
藤井 雅子 日本女子大学, 文学部, 准教授 (20440084)
谷口 孝介 筑波大学, 人文社会系, 教授 (40272124)
岩田 芳子 日本女子大学, 文学部, 研究員 (90732967)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 性霊集 / 性霊集便蒙 / 空海 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、【文献調査】班と【出典考証】班が一体となり、すでに作成している智積院所蔵の運敞自筆本『性霊集便蒙』の引書考証の検証を進めていった。語句ごとに引用されている出典について、引用元の典籍の書誌情報を逐一確認の上で抽出し、一覧可能な形でまとめており、とくに、巻第四から巻第五に注力した。現在確認しうる一般的な出典本文との間に異同の見られるものについては、諸本に異同がないかを可能な限り調査した。また、一般に流布していない運敞所蔵の文献からの引用については、智積院に所蔵する文献を確認することができた。その成果は、「『性霊集便蒙』引書考証稿(二)」として雑誌に発表している。 【比較研究】班は、本研究と隣接するプロジェクトである(科学研究費基盤研究B)「敦煌書儀・六朝尺牘文献の古代日本への受容実態の展開」(代表:信州大学 西一夫)と共同して、WEBシンポジウム(2020年8月23日、奈良女子大学古代学・聖地学研究センター主催 第16回若手研究支援プログラム 奈良女子大学)に参画した。「訓詁と注釈」をテーマとしたものであったため、『性霊集便蒙』の執筆者である運敞の注釈の態度を考察するだけでなく、今後、『性霊集』の注釈作業に取り組むうえで、重要な示唆を与えられる機会となった。本来であれば、合同研究会を開催し、『性霊集』の詩の表現分析を進めるところであったが、コロナ感染症の影響により、書籍の調査を実地で進めることがかなわない状況が続き、個々の考察に留まっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
WEBでの研究会をもつなど、可能な範囲で進めているが、実地の調査や協同による検証作業などに困難をともなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度中に『性霊集便蒙』の引書考証についての検証を終わらせること、『性霊集』の表現研究、注釈作業のための基礎作業を個々に進めることを期している。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の影響により、計画していたシンポジウムに出席するなどの活動ができなかったため。
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