2019 Fiscal Year Annual Research Report
A comprehensive study on the function of fiction in Japanese modern literature
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17K02473
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
高橋 幸平 同志社女子大学, 表象文化学部, 准教授 (40581567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 佳紀 奈良教育大学, 国語教育講座, 教授 (00335465)
大浦 康介 京都造形芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 (60185197)
久保 昭博 関西学院大学, 文学部, 教授 (60432324)
河田 学 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (00569923)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フィクション論 / 近・現代文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は以下の各項目の通り研究を進め、その進捗を隔月の研究会(計5回開催、1回はコロナウイルス感染拡大のため中止)で報告した。1.西洋のフィクション論の整理・把握 5月の研究会において昨年度までに精読したフィクションの理論の各観点を、表象の内容、提示のされ方、文脈という三点から整理し報告した(高橋)。これらは次に述べる日本文学作品の具体的な分析のための基盤として共有された。2.日本近現代における文学作品とそれをめぐる現象のフィクション論的分析 2017-18年度に行ったフィクション論の理論的研究と、1.で述べた理論的整理を経て、多和田葉子・佐藤春夫・大泉黒石・夏目漱石・稲垣足穂・島崎藤村・谷崎潤一郎について、各作家の作品や評論をフィクション論的な視点から分析した。3.研究成果の発表・意見交流 11月に開催された日本近代文学会・昭和文学会・日本社会文学会合同国際研究集会において、当研究会の成果をパネル形式で発表した(高橋(ディスカッサント)、日高・久保・服部徹也(パネル))。また、同月にはフランス(パリ)で開催された国際フィクション学会(ISFFS)において、高橋が、フィクション論の観点からなされる日本近現代文学研究の実践と問題点を当研究会の活動内容に基づいて発表し、さらに、大浦が、現代の(特に日本における)多様な表象文化の消費のされ方に注目しながらフィクション概念の拡大ならびにフィクション理論の更新の可能性について発表した。12月にはスイス(チューリヒ)において、チューリヒ大学TIMEJグループと「虚構における時間概念」に関するワークショップを行った。5.研究成果の論集発刊 フィクション論に関する編著がある大浦・久保・河田と高橋・日高とを中心に、論集の内容や構成、メンバーの執筆項目を確定した。さらに出版社との交渉をすすめ、令和2年度内の発刊に向けて執筆を進めている。
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Research Products
(13 results)