2019 Fiscal Year Annual Research Report
Operation system of noun phrase without particles in Japanese during the Heian and Kamakura periods
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17K02791
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| Research Institution | Keisen University |
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Principal Investigator |
山田 昌裕 恵泉女学園大学, 人文学部, 教授 (70409803)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 無助詞名詞 / 有生名詞 / 無生名詞 / ヲ標示率 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は平安期鎌倉期において、無助詞名詞が情報伝達上どのような役割を担い、どのように運用されていたのか、無助詞名詞の実態として次のａ～ｃを明らかにした。
ａ．平安期は、無助詞名詞22032例のうち、ガ格14672例（66.6%）、ヲ格6549例（29.7%）、計21221例（96.3%）、鎌倉期は、無助詞名詞11247例のうち、ガ格8642例（76.8%）、ヲ格2225例（19.8%）、計10867例（96.6%）であり、原則として無助詞名詞はガ格かヲ格であると言ってよい。平安期のヲ標示名詞は7860例で、ヲ格名詞（14409例）のヲ標示率は54.5%、鎌倉期のヲ標示名詞は6953例で、ヲ格名詞（9178例）のヲ標示率は75.8%と約20%増加しており、このことが平安期から鎌倉期にかけて、無助詞名詞におけるヲ格が約10%ほど減少し、ガ格が約10%増加しているという内実につながっている。
ｂ．平安期の有生名詞は6101例のうち、ガ格5466例（89.6%）、ヲ格585例（9.6%）となっており、ガ格に偏り、ヲ格にはなりにくい。鎌倉期においては、3845例のうち、ガ格3620例（94.1%）、ヲ格170例（4.4%）となり、さらにこの傾向が強まる。平安期の無生名詞は15931例のうち、ガ格9206例（57.8%）、ヲ格5964例（37.4%）、鎌倉期においては、7402例のうち、ガ格5022例（67.8%）、ヲ格2055例（27.8%）であり、ガ格が優勢ではあるものの、ヲ格も少なからず存在する。
ｃ．無生名詞ガ格については、平安期8685例（94.3%）、鎌倉期4436例（88.3%）が非対格自動詞文、形容詞文の主語となっている。一方、有生名詞ガ格については、平安期鎌倉期ともに他動詞、非対格自動詞、非能格自動詞など多様な述語成分と関係しており、複文主語となる場合も多い。
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