2017 Fiscal Year Research-status Report
学部・留学生教育研究のためのアカデミック・ジャパニーズスピーキングコーパスの開発
Project/Area Number |
17K02847
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
半沢 千絵美 横浜国立大学, 国際戦略推進機構, 准教授 (10734139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑佐 由紀子 広島大学, 教育学研究科, 教授 (40457271)
伊東 克洋 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 講師 (10805451)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アカデミック・ジャパニーズ / コーパス / 発話コーパス / 意見陳述 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アカデミック・スピーキンデータの収集と分析および収集したデータの公開と共有の二つの目的から構成されている。大学や大学院などで日本語母語話者と学習者が使用するアカデミック・スピーキングの特徴を明らかにして、アカデミック・スピーキングの指導方法の基盤を作ることを主な目的としているが、収集したデータをコーパスとして公開し、教育および研究目的での活用を促進することを最終目標としている。
日本語母語話者、英語母語日本語学習者、中国語母語日本語学習者、韓国語母語日本語学習者データを合計240名分集めることを目標としているが、平成29年度は国内外の大学・短期日本語プログラムにて計149名分のデータを収集した。収集したデータについては順次文字化作業を進めている。
これまでに意見陳述データを用いて日本語母語話者と学習者の意見陳述の発話の特徴の分析を試みた。その結果、英語を母語とした中上級学習者の場合は他の意見を認めたり、自身の意見の問題を指摘するなどの譲歩表現を用いてはいるが、自身の意見を肯定するためのさらなる反論が不足していたり、自身の意見をまとめるという発話行為が母語話者に比べると不足していることが明らかになった。さらには、中国語母語の学習者と日本語母語話者の意見陳述を比較したところ、中国語母語の学習者の場合は、意見陳述をする際の緩和表現の頻度が母語話者に比べて低く、特に対処方法を求めるという意見陳述の文脈ではその差が大きかった。今後も引き続き意見陳述や論理展開についてデータの分析を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度はデータ収集のための質問文を見直し、日本語習熟度の測定方法について検討をした。現在までに149名分のデータを収集しており、データ収集のペースとしては概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は100名を目標としてさらに追加のデータを集める予定である。特に英語を母語とする上級日本語学習者、韓国語母語の日本語学習者のデータを重点的に収集してく予定である。また、データの文字化を進め、文字化されたデータのチェック、フォーマットの整備を進めて行く予定である。
さらには、コーパスの公開に向けて、コーパスの仕様を検討し、年度末までには一部データを公開できるように調整し、学会などの発表を経てフィードバックを得るようにする。
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Causes of Carryover |
データの文字化作業の業務時間の関係で次年度使用額が生じた。 生じた額に関しては引き続きデータの文字化の謝金分として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)