2018 Fiscal Year Research-status Report
オンライン国際協同学習の大規模化と質保証モデルの開発
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17K02932
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
荒木 瑞夫 宮崎大学, 語学教育センター, 准教授 (20324220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 佳代 宮崎大学, 語学教育センター, 准教授 (70438323)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | online exchange / motivation / e-learning / writing / quality assurance |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、(1) 2017年度に引き続き、研究のデータ源となる国際協同学習プログラムの実施と、大規模プログラムの維持、(2)データ収集と英語習熟度テストの実施、(3)データの分析、および(4)質保証モデルのベースとなるCan-doリストの試作を行った。まず、(1)国際協同学習プログラムを春と秋それぞれ1回ずつ、各7週間実施した。春は4か国から404名(うち日本人172名)、秋は5ヵ国から393名(うち日本人150名)が参加した。(2)春には4か国の参加者全体に対して、プログラム評価のアンケートを実施した。また春・秋の日本人参加者を対象に、本研究プログラムの主旨を説明の上、動機づけ質問紙調査を実施し、ライティングデータとフォーラムでの投稿データの取得を行った。また英語習熟度テストを実施し、今回の研究協力者のデータと英語習熟度との関連の基礎データとした。(3)データ分析では、(a)動機づけ、(b)ライティング(正確さ、複雑さ、流暢さ)、(c) 投稿数と(d)英語習熟度の相関分析を中心的に行った。動機づけと英語習熟度の相関において、習熟度の高い学習者に不安が高い傾向が見られ、またプログラムを通じて、全体的に、結果的に不安が軽減される傾向と、「英語を話す自分のイメージ(理想的L2自己)」が高まる傾向が見られた。多く参加する人(投稿する人)は、理想的L2自己が高まった。また、不安の低さと理想的L2自己の高さの間にも相関がみられた。(4) また、CEFR-Jと先行文献を参照しながら、国際協同学習プログラムのCan-Doの試作版を日本語と英語で作成した。これらの関連する研究成果・中間報告を学会・研究会等で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象であるオンライン英語国際協同学習プログラムは、昨年に引き続き大規模な参加者を確保し、実施している大学の英語カリキュラムの中で安定した位置づけを確保できており、その中で予定していたデータ収集も行うことができた。膨大なデータの分析に予定よりも時間がかかり、予定の研究成果公表が年度内にできなかった部分があるものの、新年度前半に開催される2つの学会で発表する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、オンライン英語国際協同学習プログラムを運営しつつ、協働タスクの実施と参加者の学び、Can-doリストの試用等を行い、関連するデータ収集とその分析を予定している。研究成果の発表も積極的に進める。また、これらの日本人学習者を主に対象とした研究結果をベースに、プログラムに参加し、協同でプログラムを運営している海外協力校と、研究面でも一層の国際的な連携を打診する。
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Causes of Carryover |
2018年度に学会発表を予定していたが、分析に予定より多くの時間がかかったため、参加・発表延期した。2019年度前半に、予定していた発表を2つの国際学会にて行うことを予定している(プロポーザルは採択済み)。2019年度の予算は、国際協同学習を共同で実施している海外の協力機関との打合せ、および成果発表に関連して使用を予定している。
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