2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on teaching material development for community interpreters working in the area of child-rearing support
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17K02966
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
内藤 稔 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 講師 (90507211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 拓 帝京科学大学, 総合教育センター, 講師 (10759905)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コミュニティ通訳 / 教材開発 / 子育て支援 / ロールプレイ / 外国人 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに実施したニーズ調査の結果から、子育て支援関連の分野で活動するコミュニティ通訳者養成教材が網羅すべき要件の同定に努めた。 一般的にコミュニティ通訳には各地域社会の制度を中心とした背景知識、及び逐次通訳などの通訳技法が求められる。外国人が抱える問題が複雑化・多様化する中、子育て支援の現場においては、子どものライフステージごとに、特に需要の高いシチュエーションがあり、それに対応する知識・技術を身につける必要のあることが分かった。これまで実践されてきたコミュニティ通訳養成の研修では、クイックレスポンスやシャドーイング、サマライゼーションなどといった、ごく初歩的な通訳技法や、少人数による逐次通訳演習を行うに留まることが多かった。しかしながら本研究の調査を進めるうち、教材にはこれまで検討されなかったいくつかの要件があることが分かってきた。1.大学・大学院などの高等教育機関に所属する学生や、地方自治体、国際交流協会のスタッフなど、使用者を明確に定めること。コミュニティ通訳の場合特に、利用者が地域性・多様性に富むため、対象を明確にする必要がある。2.教材内では実態に近い、ロールプレイ形式の素材が使用されていること。コミュニティ通訳が対象とする専門分野のうち、特に行政通訳においては、その必要性に対してロールプレイ形式の実例が未だ乏しい。教材に掲載するロールプレイにおいては、通常行政を含む外国人相談の現場においての相談時間を調査し、時間・内容などを、実態に近いオーセンティックな形で素材とするよう、引き続き研究を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた2年の調査計画は概ね遂行されたといえる。ニーズ調査とヒアリングにより、教材に必要な要件を明らかとした。調査中、利用者が地域性・多様性に富むことが浮き彫りとなったが、多様性の詳細は継続調査課題となる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では、ライフステージ別に需要の高かったシチュエーションを選定し、ロールプレイ形式の教材を試作する。教材の試作後、地方自治体や国際交流協会の職員、外国人支援にあたるボランティア、サービスを受ける側の外国人住民による検証を行う。
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Causes of Carryover |
研究結果発表の場が予定より少なかったこと、当初の想定より実施機関とのヒアリングを円滑に行うことができたため、旅費・人件費部分に、教材開発段階で追調査を行なうだけの余裕ができた。
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