2019 Fiscal Year Research-status Report
ポルトガル語の能力評価システムと理想的な言語教育シラバスの確立に向けた基礎研究
Project/Area Number |
17K03021
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
市之瀬 敦 上智大学, 外国語学部, 教授 (20276512)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 朋子 神田外語大学, 外国語学部, 准教授 (30384176)
GIBO LUCILA 上智大学, 外国語学部, 助教 (30737218)
黒沢 直俊 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (80195586)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ポルトガル語教育 / 言語能力参照枠 / シラバス / 検定試験 / 達成度評価 / 第2言語習得 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①言語能力評価システム、②言語教育シラバス、③能力評価検定試験、という3つの観点から大学レベルでの日本におけるポルトガル語教育を再構築化することを目指して着想されたもので、当初計画の最終年度である2019年度では、研究交流に重点を置き、ポルトガルからこの分野の専門家であるパウロ・ピント氏を招き、上智大学で二日間の講演会を実施し、意見交換を行ったり(2020年2月)、研究分担者のギボが、ポルトガルのコインブラ大学とポルト大学で出張調査を行い、カリキュラム、教授法、教材などについてのデータを収集した(2019年5月)。これらの研究は、日本人留学経験者に対するアンケート調査や国内の各大学での教育状況調査と合わせて、成果が発表されている。分担者の吉野は英語語法文法セミナー(2019年8月)に出席し、隣接分野の成果をポルトガル語教育にどのように応用出来るかなどについての考察を進めている。他に、ブラジル人児童に対する継承語教育に関する調査も行い、ポルトガル語教育のシラバス策定の参考資料としている。他方、これらの成果に踏まえ、研究代表者の市之瀬は、ブラジルとポルトガルの研究者の協力を得ながら、日本ではほぼ初となる本格的な文法マニュアルの出版につなげている。さらに、このプロジェクトの枠内で重要な教材である辞書についての講演会も開催していることは特筆できる成果である。分担者の黒澤は、ポルトガルで試験的に公開されているCEFRの能力検定試験のパイロット版を用い大学レベルの学生に対しボランティア的な実験を行い、レベルの標準化に資する資料の収集を行った。この3年間で相当程度の成果が得られているが、2019年末からの世界的なコロナウイルスの感染拡大によって年度末の一部の計画も見直しを迫られたことから、年度が繰り越される形となり、最終とりまとめが延長されることになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記、「研究実績の概要」に記したように、コロナウィルスの感染拡大による影響を受け、年度末の計画が一部見直しを迫られ、年度繰越となった。その他は概ね順調に計画は進捗したと見なせるだろう。
|
Strategy for Future Research Activity |
国外及び国内学会での研究成果の発表を企画する。ポルトガル語教育シラバスの策定に必要な研究の蓄積、ポルトガル語能力試験の実施に向けた分析を継続する。これまでの成果と、今後発展させるべき新たな課題を評価、策定する。
|
Causes of Carryover |
年度末のコロナウィルス感染拡大により、計画していた出張が不可能になったため。 昨年度末に断念した出張を今年度中に実現する予定である。
|
Research Products
(7 results)