2018 Fiscal Year Research-status Report
1910~20年代中国の多様性と可能性:同時代の日本・世界との思想連鎖の視点から
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17K03123
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小野寺 史郎 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (40511689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 誠一郎 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (80272615)
竹元 規人 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (80452704)
森川 裕貫 関西学院大学, 文学部, 准教授 (50727120)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中国近代史 / 思想史 / 1910年代 / 1920年代 / 思想連鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研の2年目にあたる本年度は、当初の研究計画どおり、前年度にひきつづき国内外の研究機関や文書館で本科研の遂行に関わる史料や文献の調査を進めた。また同時に、定期的に研究会を開催し、研究代表者・研究分担者間で情報の共有と他分野における最新の研究状況の理解につとめた。 (A)5月に第三回研究会を開催した。同会では、研究分担者の吉澤誠一郎・森川裕貫がそれぞれ1910~20年代の日本及び中国における思想史・学術史上の課題に関する報告を行い、その報告をめぐって研究会参加者による質疑や討論を行った。その結果、当時の中国における国際社会観・国際関係観、そして逆に同時期の日本側からの中国研究・中国認識の在り方がいかなるものだったかについて、理解を深めることができた。 (B)9月に第四回研究会を開催した。同会では、西洋思想史の研究者を招き、19世紀から第一次世界大戦にかけての時期のヨーロッパの主に哲学をめぐる状況の変遷に関するご報告をいただいた。また、報告をめぐって研究会参加者による質疑や討論を行った。その結果、近代のヨーロッパ哲学において何が問題となり、それに対しどのような検討がなされてきたかについて、大まかな理解を得ることができた。 以上のような本年度の研究活動の結果、1910~20年代のヨーロッパや日本における思想・学問状況の大枠を把握することができ、その文脈の中で同時代の中国の思想状況を理解することができるようになったと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で述べたように、本研究の二年目の史料・文献調査、および研究会の開催を通じた最新の研究情報の共有、他分野の成果の吸収といった当初の計画は、おおむね予定どおりに進展していると認められるため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度には、初年度及び二年目の成果を踏まえ、研究代表者・研究分担者がそれぞれ設定したテーマについての研究をさらに進めるとともに、東アジアの思想連鎖という視点から1910~20年代の中国思想史に新たな光を当てる研究を発表していく予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた国内外における史料・文献調査などを、勤務先の大学における研究費などを利用して行うことができたため。 このため生じた次年度使用額は、最終年度に行う国内外における史料・文献調査の費用に充当するものとする。
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Research Products
(10 results)