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2020 Fiscal Year Research-status Report

The remembrance of the fallen of the First World War and the local communities in Britain

Research Project

Project/Area Number 17K03177
Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

吉田 正広  愛媛大学, 法文学部, 教授 (10284382)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2022-03-31
Keywordsイギリス / 第一次世界大戦 / 戦争記念碑 / ロンドン
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、ロンドンにおける第一次世界大戦の戦死者追悼記念碑や式典のあり方を、企業、地域社会、国民国家さらに帝国に至る重層的なアイデンティティ形成の問題として位置づけるとともに、記念碑の様式や式典のあり方にコミュニティ毎の違いがあることに着目し、地域社会の特質や政治との関連で記念碑や式典を考察するものである。
本年度は、昨年度に持ち越した課題であるロンドン・シティに隣接するイーストエンドにおける戦死者追悼について現地調査を含めて研究する予定であったが、新型コロナウィルス感染の拡大によってロンドンでの現地調査はできなかった。また、愛媛県在住のため、東京の国立国会図書館での調査も事実上できなかった。そのため、これまで実施してきた現地調査の結果と、文献調査の結果を改めて再構成することによって研究を進めた。
具体的には、ロンドン・シティの市民的記念碑である「ロンドン部隊記念碑」の設立に関わる新聞報道を使って、記念碑の除幕式を分析した。「ロンドン部隊記念碑と戦死者追悼式典―現代に引き継がれる第一次世界大戦の戦死者追悼と捧げ物―」『多文化社会研究』第8号2021年3月と「ロンドン部隊記念碑の除幕式と新聞資料」『資料学の方法を探る』2021年3月が、その研究成果をまとめたものである。その結果、「ロンドン部隊記念碑」は、ロンドン・シティが主導して建てたものでありながら、ロンドン・カウンティという広域のロンドンを取り込むことによって、シティだけでなく広域ロンドンのアイデンティティをも示す記念碑としてその後も位置づけられることになった。そのことは、現在にも行われている11月11日前後の追悼日曜日における追悼式典、さらには、その前日の土曜日に行われるシティの市長就任パレードである「ロードメイヤーズ・ショウ」にも示されていることを確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウィルス感染の拡大によってロンドンでの現地調査はできなかった。また、愛媛県在住のため、東京の国立国会図書館での調査も事実上できなかった。そのため、これまで実施してきた現地調査の結果と、文献調査の結果を改めて再構成することによって研究を進めざるを得なかった。

Strategy for Future Research Activity

今後もロンドンでの現地調査・資料調査は難しい状況が続きそうなので、これまでのロンドンでの現地調査と資料調査の結果を再度活用し、また、すでに収集した文献を活用して研究を進める。
ロンドン部隊記念碑の調査を進める中で、地域コミュニティにおいて実施される戦死者追悼式典や戦争記念碑の設立そのものが、地域コミュニティのアイデンティティを確認する手段だったと解釈すべきであると考えるようになった。特に、志願制による地元の郷土防衛予備軍(Territorial Forces)の位置づけと深く関わっていることを確認しつつあるので、今後は地元の予備軍のあり方、予備軍に対する地域社会の関係、予備軍の兵士の士気や信仰に深く関わるイングランド教会の役割などについても、研究対象を広げる予定である。

Causes of Carryover

今年度、ロンドンでの現地調査及び資料調査を予定していたが、新型コロナウィルスの感染拡大により実施できなかった。また、東京の国会図書館でも資料調査を予定していたが、愛媛大学の業務の関係で、東京出張が事実上不可能になり、こちらも実施できなかった。そのため、1年間の研究期間の延長を申請し、認められた。次年度において、可能ならば、現地調査及び東京での資料調査を実施する予定である。

Remarks

愛媛大学の「四国遍路と世界の巡礼」研究の一環として、海外に展開する戦死者墓地へのイギリス人の巡礼を研究して来た。それと併行して、イギリスの戦争記念碑について細々と研究を進めてきたが、2017年度から科研費の支給を得て、イギリスの戦争記念碑研究をさらに進めることが可能となった。このWebページは、これまで少しずつ進めて来たイギリスの戦争記念碑研究の成果を社会に発信するために開設した。

  • Research Products

    (4 results)

All 2021 2020 Other

All Journal Article (2 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] ロンドン部隊記念碑と戦死者追悼式典―現代に引き継がれる第一次世界大戦の戦死者追悼と捧げ物―2021

    • Author(s)
      吉田正広
    • Journal Title

      多文化社会研究

      Volume: 8 Pages: 49~59

  • [Journal Article] ロンドン部隊記念碑の除幕式と新聞資料2021

    • Author(s)
      吉田正広
    • Journal Title

      資料学の方法を探る

      Volume: 20 Pages: 17~24

  • [Presentation] ロンドン・シティにおける第一次世界大戦の戦死者追悼式典と新聞資料2020

    • Author(s)
      吉田正広
    • Organizer
      愛媛大学資料学研究会
  • [Remarks] 愛媛大学法文学部人文社会学科 吉田正広研究室

    • URL

      http://hist.ll.ehime-u.ac.jp/

URL: 

Published: 2021-12-27  

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