2020 Fiscal Year Research-status Report
ジャコバン独裁末期におけるロベスピエールとパリの世論
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17K03191
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
松浦 義弘 成蹊大学, 文学部, 特別任用教授 (60229416)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フランス革命史研究 / ロベスピエール / 戦後歴史学 / 民衆運動 / 民衆の言説 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ロベスピエールの言説を検討するだけでなく、ロベスピエールの言説がとくにパリの民衆によってどう受け止められていたのかを検討することによって、ロベスピエールの権力掌握と失墜の問題に新たな視角から解明することを目的とする。 2020年度は、これまで継続してきた作業に区切りをつけるべく、夏期休暇を中心にできるだけ長期に渡仏し、国立文書館などで史料の蒐集と分析をおこない、その成果の一部を公表する予定であった。しかし、2020年度を通して新型コロナウイルスが猛威をふるい、渡仏が不可能となったため、当初予定していたフランスでの史料の蒐集と分析がまったくできなかった。このため、この史料調査にもとづく成果の公表も叶わなかった。 その代わり、2020年度には、2019年度におこなわれた日本と韓国のフランス革命研究者によるシンポジウムの成果を松浦義弘・山崎耕一編『東アジアから見たフランス革命』(風間書房)として刊行することができた。またこれに関連して、日本の戦後のフランス革命史研究を量的・質的な面から分析した論文「戦後日本におけるフランス革命史研究」(『成蹊大学文学部紀要』56号、フランス語論文)に公表した。 さらに、わが国のフランス革命史研究を主導してきた二人の歴史家、柴田三千雄と遅塚忠躬の主著を中心に戦後日本の革命史研究を論じた「敗戦がもたらした影:戦後の日本の歴史学におけるフランス革命」(フランス語論文)も上梓することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は、これまで継続してきた作業に区切りをつけるべく、夏期休暇を中心にできるだけ長期に渡仏し、国立文書館などで史料の蒐集と分析をおこない、その成果の一部を公表する予定であった。しかし、周知のように、2020年度を通して新型コロナウイルスが世界的に猛威をふるい、渡仏が不可能となったため、当初予定していたフランスでの史料調査がまったくできなかった。このため、フランスでの史料調査にもとづく成果の公表も叶わなかった。その代わりに日韓シンポジウムの成果を一書として公刊するなどしたが、本研究課題の進捗という点では、大きく遅れてしまったと評価せざるをえない。
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Strategy for Future Research Activity |
ロベスピエールの言説がパリの民衆によってどう受け止められていたかを検討する本研究の遂行にとって、フランスでの史料調査が不可欠である。しかしながら、新型コロナウイルスがいまだに猛威をふるっている現在、フランスでの史料調査は事実上不可能になっている。新型コロナウィルスが終息して渡仏が可能になれば、できるだけ早く渡仏して、フランスでの史料調査を完遂したいと考えている。ただしその間、印刷・刊行史料をさらに丹念に読み、分析することは続けたいと思っている。
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Causes of Carryover |
2020年度を通して新型コロナウイルスが世界的に猛威をふるい、渡仏が不可能となったため、当初予定していたフランスでの史料調査がまったくできなかった。このため、史料調査のために予定していた助成金が未使用となり、次年度使用額が生じた。 ロベスピエールの言説がパリの民衆によってどう受け止められていたかを検討しようとする本研究にとって、フランスでの史料調査は不可欠であるが、新型コロナウイルスがいまだに猛威をふるっている現在、フランスでの史料調査は事実上不可能になっている。新型コロナウィルスが終息して渡仏が可能になれば、できるだけ早く渡仏してフランスでの史料調査を進め、次年度使用額を使用したいと考えている。
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Research Products
(3 results)