2022 Fiscal Year Research-status Report
ジャコバン独裁末期におけるロベスピエールとパリの世論
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17K03191
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
松浦 義弘 成蹊大学, 文学部, 客員研究員 (60229416)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大西洋世界 / フランス革命 / テルミドール九日のクーデタ / ロベスピエール / 手稿史料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ロベスピエールの言説を検討するだけでなく、ロベスピエールの言説がとくにパリの民衆によってどう受け止められていたのかを検討することによって、ロベスピエールの権力掌握と失墜の問題をパリの「世論」という新たな視角から解明することを目的とする。この目的を達成するため、本研究では、長期に渡仏し、国立文書館などでロベスピエールに関するパリの民衆の意見=言説を蒐集することが不可欠の作業となる。 2022年度は、これまで継続してきた作業に区切りをつけるべく、夏期休暇を中心にできるだけ長期に渡仏し、国立文書館などで史料の蒐集と分析をおこない、その成果の一部を公表する予定であった。しかし、2022年度も新型コロナウイルスの感染リスクが日仏とも依然として高く、渡仏が困難だったため、当初予定していたフランスでの史料の蒐集と分析ができなかった。 以上のように、2022年度はフランスでの史料調査とそれにもとづく成果は公表できなかったが、その代わりに三つの作業をおこなった。第一は、「大西洋世界のなかのフランス革命」(『岩波講座世界歴史15 主権国家と革命 一五一八世紀』岩波書店、2023、所収)の執筆、第二は、「テルミドールにおける「ロベスピエール=王」という噂をめぐってー手稿史料との出会い」(『成蹊大学人文叢書20 歴史の蹊,史料の杜ー史資料体験が開く日本史・世界史の扉』風間書房、2023,所収)の執筆、第三は、TimothyTackett, When the King Took Flight, 2003の翻訳、である。第一と第二の作業は、2022年度中に具体的成果として公表した。しかし第三の作業であるTimothyTackettの翻訳は、翻訳原稿は完成しているが、まだ刊行に至っていない。2023年度中の刊行をめざして鋭意努力中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度は、これまで継続してきた作業に区切りをつけるべく、夏期休暇を中心にできるだけ長期に渡仏し、国立文書館などで史料の蒐集と分析をおこない、その成果の一部を公表する予定であった。しかし、2022年度も新型コロナウイルスの感染リスクが依然として高く、渡仏が不可能となったため、当初予定していたフランスでの史料調査がまったくできなかった。このため、フランスでの史料調査にもとづく成果の公表も叶わなかった。その代わりに依頼された日本の論文の執筆や日本ではまだ紹介されていないTackettの著作の翻訳などの作業をしたが、本研究課題の進捗という点では、大きく遅れていると評価せざるをえない。
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Strategy for Future Research Activity |
ロベスピエールの言説がパリの民衆によってどう受け止められていたかを検討する本研究の遂行にとって、フランスでの史料調査は不可欠である。2022年度も、新型コロナウイルスの感染リスクが依然として高く、フランスでの史料調査も事実上不可能であったが、現在はコロナをめぐる規制は大幅に緩和されつつあり、渡仏が可能な状態になっている。ただし、諸般の事情から、夏期休暇ではなく春期休暇に渡仏して、フランスでの史料調査を継続したいと考えている。その間、印刷・刊行史料をさらに丹念に読み、分析することは続けたいと思っている。
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Causes of Carryover |
2022年度も新型コロナウイルスの感染リスクが依然として高く、渡仏が不可能となったため、当初予定していたフランスでの史料調査がまったくできなかった。このため、史料調査のために予定していた助成金が未使用となり、次年度使用額が生じた。 ロベスピエールの言説がパリの民衆によってどう受け止められていたかを検討しようとする本研究にとって、フランスでの史料調査は不可欠であるが、新型コロナウイルスをめぐる規制は大幅に緩和されつつあり、フランスでの史料調査が可能となる状況が生まれつつある。ただし、諸般の事情により、夏期休暇ではなく年度末の春期休暇に渡仏してフランスでの史料調査を進め、次年度使用額を使用したいと考えている。
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