2017 Fiscal Year Research-status Report
Current situations of traditional performing arts in Japan's peripheral region
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17K03256
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
山本 健太 國學院大學, 経済学部, 准教授 (40598190)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 地方 / 文化の継承 / 伝統芸能 / 神道文化 / 地域経済 / 観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
関係団体の承認のもと,アンケート調査を実施した。その結果,対象の34%から回答を得た。アンケート結果を分析したところ,アンケート回答団体の構成員数の合計は751人,平均値は21.3人である 。このうち男性が約86%,女性が約14%であった。年齢構成では男性では30歳代が最も多く,18歳以下,40歳代,23-29歳と続く。女性では18歳以下が最も多く,30歳代,40歳代,23-29歳と続く。また,約53%が生まれてからずっと,自身らの継承する神楽のある地区(産土神社圏)内に住み続けていた。地区外に転出したが戻ってきたもの約10%と合わせると,約62%が地区内に居住している。地区外からの移住者は11%であり,全体の7割以上の構成員が地区内に居住している。 神楽継承に関する項目を「とてもよい」を4,「全くよくない」を1として集計した。演目の導入,衣装の導入,舞台装置の導入という項目では,いずれも平均値が2.5 以下であり,消極的な評価にとどまっていた。演目の開発,衣装の開発,舞台装置の開発という項目では,平均値が2.5から3.0(「よい」)の範囲に収まっており,やや好意的に評価されていた。舞いを映像に残すこと,映像をインターネットで公開すること,共(競)演会等を実施すること,社中単独で公演会を実施することという項目は,いずれも平均値が3.0を超えており,高く評価されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に従って,アンケート調査を実施できた。アンケート結果の分析も進んでいる。アンケート調査では,当初計画していた数の回答を得られなかったが,その分,対象についての詳細なデータを得ることができた。とりわけ調査対象団体の年齢構成,居住履歴,収支などの情報は学術的にも非常に貴重な資料である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在はインタビュー調査対象の選定と交渉を進めているところである。今後も研究計画に則り,研究を遂行していく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度の調査が順調に進み,協力者の配慮により調査費用の圧縮が可能であったため。 次年度に予定されている国際学会では,昨今の為替の影響から費用がかかることが想定されるため。 英文校正費等,年度をまたいだ出金が予定されているため。
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