2019 Fiscal Year Research-status Report
Current situations of traditional performing arts in Japan's peripheral region
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17K03256
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| Research Institution | Kokugakuin University |
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Principal Investigator |
山本 健太 國學院大學, 経済学部, 准教授 (40598190)
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2017-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 経済地理学 / 文化地理学 / インバウンド / アンケート調査 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は，地方縁辺地域における伝統芸能の詳細な実態分析から，伝統芸能の継承がどのようになされ，地域資源としてどのように利用されているのか，明らかにすることにある。本研究では，とくに農村空間で継承されてきた神楽を対象とする。そのうえで，これまでの応募者の研究と事例地域を比較検討することで，地域資源としての神楽の利用と継承のあり方について提言する。また，本研究の成果を通じて，対象地域のみならず，広く国家の伝統芸能の保存政策や国際発信政策に対して応用可能な提言ができる。研究成果は，シンポジウムの開催や国内外での学会発表などを通じ，積極的に発信していく。
一昨年度までに当初予定していた調査よりも十分な成果を得られたため，令和元年度には当該事象をより深く理解するため，当地へのインバウンド観光を想定して，外国人を対象としたアンケート調査を実施した。具体的には，台湾・台北市に立地する淡江大学の日本語学科の教員の協力の下，当科学生約870人に彼らの受講する講義を通じてアンケート票を配布し，660人から回答を得た。
目下，アンケート結果の分析を進めているが，現在までのところ以下の諸点が特徴として挙げられる。１．回答者が将来個人旅行客として日本に訪れる可能性が高い。２．島根県に対するイメージは希薄。３．日本に対するイメージは，アニメ，マンガ，ゲームの影響が強い。４．神楽には興味があるが，島根県まで訪れるまでの価値は見いだせない。５．訪問地として東京，大阪といった大都市部のほか，縁辺地域にも関心を持っている。
今後，分析を進め，成果を学術大会や論文として公表する予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
調査対象地域における協力体制ができており，調査が当初計画以上に進展している。そこで，事象をより詳細に理解するために，発展的な調査を実施した。
島根県は交流人口の増加を企図した観光振興政策を実施している。その中で石見神楽は重要な柱のひとつと位置付けられている。そこで石見神楽の外国における知名度と魅力を探るため，台湾・淡江大学の日本語学科学生を対象としたアンケート調査を実施した。台湾は島根県に訪れる外国人の国籍で常に上位である。対象となった学生は日本への興味関心が高く，潜在的な訪日観光客の候補である。
アンケート調査は当初2月に調査を計画していたが，新型肺炎の流行により，年度内の実施が困難となった。報告書執筆段階ではすでに実施されており，現在分析中である。
なお，これまでの成果の一部をまとめた以下論文が2018年に受理されたが，2019年になり刊行された。YAMAMOTO Kenta 2018: Traditional Performing Arts as a Regional Resource: Examining Japan's Kagura Dance Form. International Journal of Cultural and Digital Tourism 5: 24-40.
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| Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査結果の分析と学会での公表を企図している。ただし，新型肺炎の影響により，追加調査が困難な状況である。また学術大会は軒並み中止または延期となっている。研究成果の十分な公表が困難な状況となっているため，研究の延期も視野に入れて，可能な選択肢を模索していく。
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| Causes of Carryover |
計画していた調査が新型肺炎の影響によりキャンセルとなったこと，同じく学会などがキャンセルとなった。これらは事態の終息後に改めて実施する予定であることから，次年度に繰り越しをする。
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