2020 Fiscal Year Research-status Report
Current situations of traditional performing arts in Japan's peripheral region
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17K03256
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
山本 健太 國學院大學, 経済学部, 教授 (40598190)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経済地理学 / 文化地理学 / インバウンド / アンケート調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,地方縁辺地域における伝統芸能の詳細な実態分析から,伝統芸能の継承がどのようになされ,地域資源としてどのように利用されているのか,明らかにすることにある。本研究では,とくに農村空間で継承されてきた神楽を対象とする。そのうえで,これまでの応募者の研究と事例地域を比較検討することで,地域資源としての神楽の利用と継承のあり方について提言する。また,本研究の成果を通じて,対象地域のみならず,広く国家の伝統芸能の保存政策や国際発信政策に対して応用可能な提言ができる。研究成果は,シンポジウムの開催や国内外での学会発表などを通じ,積極的に発信していく。 一昨年度末に実施した台湾・淡江大学の学生を対象としたインバウンド観光に関するアンケート調査の結果は,研究対象地域に対して示唆的なものである。例えば,地域の観光資源が地域側の求める観光客層に十分にアクセスできていない可能性や,地域側に受け入れ態勢が十分に整っていない可能性が指摘できる。来年度も分析を継続するとともに,状況を見ながら追加調査の可能性を模索したい。 本年度は新型肺炎の世界的流行により,追加調査として予定していたインバウンド観光に関する調査および,成果の公表機会として予定していた国内外での学会発表などは十分にできなかった。そのような中にあって,ここまでの成果の一部については,本年度に論文としてまとめ,刊行された。 なお,本年度は研究期間の最終年度であったが,追加調査の実施や成果の公表が十分でないことから,研究期間の1年延長を申請した。報告書執筆段階では既にこれが受理されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度まで,調査は計画以上に進展していたため,当初計画を修正し,より深い事象の理解を目指して追加調査を開始した。ただし,新型肺炎の影響により,この調査は進んでいない。また,本年は成果の公表を進めていく計画であったが,国内外の学会の多くが中止,延期となり,成果発表は論文の公開のみにとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度予定してた国際学会での発表は来年度に延期となった。まずはそこで成果の発表をする。台湾・淡江大学学生を対象とした追加調査の成果については,来年度中の公開を目指したい。 これまでの成果の一部については,下記に公開されている。 山本健太 2021: 島根県西部地域における石見神楽の存立構造.國學院大學紀要 59: 29-49.
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Causes of Carryover |
新型肺炎の国際的流行により,予定していたフィールド調査および学会発表が実質的に不可能となった。
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