2019 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research for building a synchronic community model in constitutional theory
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17K03342
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
糠塚 康江 東北大学, 法学研究科, 教授 (60237790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 礼子 駒澤大学, 法学部, 教授 (70275931)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地方公共団体 / コミュニティ / 議会 / パリテ / 女性議員 / 地域の利益 / 性別役割分担 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究と実務との接点になる1つが、政治分野における男女共同参画推進法である。2019年度は、本法が初めて適用された選挙が実施された。統一地方選挙に先立つ2019年4月6日に学術会議で「男女がともにつくる民主政治を展望する」と題するシンポジウムが開催された。糠塚が企画実行委員を務めた。糠塚は「政治分野における男女共同参画推進法の「一歩」が意味すること」、大山が「地方議会をどう変える?―女性の進出を阻む壁を乗り越えるためにー」について報告した。 大山は、地方制度調査会の副会長として、また総務省の「地方議会・議員のあり方に関する研究会」に座長代理として、実務上の課題と研究課題の往復の中で、実務に研究成果を反映させるとともに、実務を通じて得られた知見や意見交換で得られた観点から研究を深化させた。その成果は、2019年12月に東北大学で開催された公法判例研究会で、「多様性を生かす合意のあり方―地制調の議論を手がかりとして―」の演題での報告で発揮され、研究会参加者の活発な意見交換を触発した。 糠塚は、生身の個人である〈私〉から描かれる人と人の関係性を考える研究に着手した。これが、「『憲法と家族法』関係論―辻村憲法24条論の問題提起を受けて」と「個人と家族―公私の関係」の2つの論考である。これを通して、公法と私法の交錯点に「人間交際」を据えた小野梓の議論に着目する視点を得た。この視点は、現代憲法理論が開拓した「情報自己決定権」としてのプライバシー権に通底する。この総合の試みが、公法学会総会報告の「私的領域の変容と縮小社会における憲法学の課題―自律する〈私〉/つながる〈私〉/ささえる〈私〉―」である。〈私〉を中心に描かれる他の人々との関係性を法的にどう描くのか思考実験を試み、それが憲法理論にどのような可能性を拓くのかについて、展望した。
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Research Products
(9 results)