2020 Fiscal Year Research-status Report
行政手続法35年の形成・展開の研究-個別行政法上の固有事情との調整という視点から
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17K03343
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北島 周作 東北大学, 法学研究科, 教授 (00515083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 真由美 上智大学, 法学部, 教授 (00365834)
大江 裕幸 信州大学, 学術研究院社会科学系, 准教授 (60598332)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 行政法 / 行政手続法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、行政手続法の未公表の立案過程資料の調査・収集・整理を行い、立案過程の全貌を明らかにしつつ、立案過程における「一般法たる行政手続法」と「個別行政法に損する固有の事情」との関係に着目し、その見地から、現在の各行政領域における行政手続法の展開内容を検証・評価するものである。本研究は、立案過程資料の調査等と個別行政法における手続過程の考察に加え、それらの比較行政手続法的見地からの検討からなる。本年度はそれぞれについて以下のような研究を行った。 行政手続法の未公表の立案過程資料の調査等については、今年度も定期的に研究会を開催して作業をすすめた。今年度の検討は、昨年度の作業で発見された第一次研究会についての新資料と第二次研究会の資料について行った。第二次研究会については、入手できていたのは議事概要と配付資料にとどまったため、議事録あるいはそれに代わるものの存在の有無について引き続き調査を続け、その間、資料の具体的検討を保留していた。しかし、議事録が作成されていないことが明らかになったため、議事概要を検討した上、不明部分等に付き関係者に聞き取りをして補完することし、議事概要の検討を終え、不明部分等の取りまとめ作業に入るところまで進めた。検討を通じて、第一次研究会、第二次研究会の議論は、現在の行政手続法の立案過程の基礎をなしつつも、現在とは異なる観点から論じられている部分もあり、現行の行政手続法や個別行政過程における行政手続を論じる上で大きな意義があることを認識することができた。 個別行政法における手続過程の考察及び比較行政手続法的見地からの検討については、各自で判例研究、比較法研究を通じて検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究においては、立案過程資料の調査・収集・検討が大きなウエイトを占めるところ、感染症の拡大のため、、積極的な調査・収集活動、関係者への聞き取り調査等は断念せざるを得なかった。特に、研究代表者は、現在海外に滞在中であるところ、こうした作業は一時帰国により進める予定であったが、滞在国の規制により一時帰国が不可能となり、進めることができなかった。また、研究代表者の滞在先大学・図書館は、昨年度中ほぼ全期間閉鎖しており、比較法的検討を行うための資料収集等についても支障が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績欄において示したように、議事録が存在しない第二次研究会の検討内容の不明部分について、関係者に聞き取りをするなどして、できるだけ内容を明らかにし、その上で、第一次研究会、第二次研究会の検討内容が持つ意義についてとりまとめをしたい。また、立案過程の検討から得られた知見を、反映させる形で、個別行政過程の研究、比較法研究もすすめたい。最終的には、資料の公刊をめざし、資料の性格上必要な関係者の承諾等諸手続や資料の編集作業を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
感染症拡大のため、資料の調査・検討作業が遅れたため。
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Research Products
(5 results)