2018 Fiscal Year Research-status Report
General Study on Freedom of Expression for Students in High Schools
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17K03349
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
斎藤 一久 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50360201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 悟郎 九州産業大学, 地域共創学部, 准教授 (40755807)
安原 陽平 沖縄国際大学, 総合文化学部, 講師 (50723102)
小池 洋平 早稲田大学, 社会科学総合学術院(先端社会科学研究所), その他(招聘研究員) (50779121)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 憲法 / 選挙運動 / 政治活動 / 学校 / 高等学校 / パトリオティズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では 、①高校生の政治活動、②高校生の選挙運動、③学校の政治的中立性について、憲法学の観点から考察し、高等学校教育段階における諸問題を明らかにするとともに、高校現場への提言などについて検討した。 ①~③の理論部分については、担当の国の状況調査も含め、各分担者で研究を進めた。とりわけ研究代表者の斎藤が憲法理論研究会の春期研究総会で「日本における憲法パトリオティズム論の展開」と題して報告を行い、研究成果の一部を発表した。またソウルで開かれた国際憲法学会に参加し、表現の自由をめぐる諸問題、未成年者の権利をめぐる諸問題についてのセッションで各国の状況に関する情報を収集するとともに、各国の憲法学者との交流を深め、今後の国際共同研究についての可能性を模索した。 さらに今年度は、理論を踏まえた現場への提言活動を積極的に展開した。一つは、ちゅらマナープロジェクト(沖縄県教育委員会等主催)に参画した。その一環として、「高校生と選挙の関り方について考えるフォーラム」にて、研究分担者の安原が基調講演「高校生と選挙権」を行い、パネルディスカッション「高校生と選挙の関り方について」にも参加した。本フォーラムに向けて、選挙に関する高校生によるプレゼンテーションも行われたが、事前のワークショップや大学生との意見交換会もファシリテーターとして、実践的な提言を行うとともに、高校生段階の現実の諸問題についてアプローチした。また研究分担者の小池が、茨城県立伊奈高等学校において、INAキラプロジェクト「通ってた学校が無くなる!? 高校生が学校統廃合問題を考えてみたら」に参画し、講演とともに、その講演を踏まえての高校生の議論をファシリテートした。 そのほか、斎藤及び研究分担者の堀口の編集により、高校の教員などにも向けた『図録日本国憲法』を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現場への提言活動ができただけでなく、国際的な学会でも意見交換をすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、①高校生の政治活動、②高校生の選挙運動、③学校の政治的中立性の各領域について、アメリカ、ドイツ、フランスとの比較法的な見地からの検討を加える。また、改めて教育基本法における①から③の問題を検討したい。同法14条が主たる対象となるが、その他の条項についても検討する予定である。 そして次年度は、2020年から高等学校の公民科に導入される予定である「公共」について研究を進めたい。まずは本研究の目的である高校生の政治活動及び選挙運動の観点から、学習指導要領案を検討したい。とりわけ当該指導案において、指導にあたって「道徳教育の目標に基づき、この科目の特質に応じて適切な指導をすること」とされており、小中学校で導入される「特別の教科 道徳」との関係性、そして高等学校での道徳の影響を踏まえながら、政治活動、選挙運動といった高校生の表現の自由の萎縮の問題を考察したい。 さらに研究成果について、学術雑誌に掲載するだけでなく、書籍の刊行も行いたい。加えて日本社会科学会など、社会科教育学関係の学会においても発表を行いたいと考えている。同時に現場への提言についても模索したい。
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Causes of Carryover |
国内出張について予定より少なかった。2019年度は東京以外に学会開催が多いため、2019年度に旅費として使用予定である。
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[Book] 岐路に立つ立憲主義2018
Author(s)
斎藤一久、齊藤笑美子、植松健一、宍戸常寿
Total Pages
254
Publisher
敬文堂
ISBN
978-4-7670-0227-9
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[Book] スタディ憲法2018
Author(s)
曽我部真裕、横山真紀、堀口悟郎
Total Pages
254
Publisher
法律文化社
ISBN
978-4-589-03917-0