2021 Fiscal Year Research-status Report
人口減少社会におけるサービス保障の契約手法－英・コミッショニングの法的研究
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17K03407
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| Research Institution | Shizuoka University |
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Principal Investigator |
国京 則幸 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (10303520)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | コミッショニング / 公衆衛生 / 社会的処方 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、イギリスとの比較検討を念頭に、日本の「地域包括ケア（システム）」の検討を進めた。高齢者を対象とし、かつ、介護のサブシステムとして、医療と介護を中心とした連携を図るこの取り組みの理解をさらに深めるため、自治体が発行する資料等を入手し検討した。そして、さまざまな草の根の活動や具体的事例を見る中で、このシステムの広がり・可能性とともにある種の限界のようなものを垣間見た。近年の精神保健福祉領域での改革の流れも受け、精神疾患・障害にも対応する取り組みが各地で行われつつあるものの、福祉全般のシステムとはいいがたく、また、いわゆる「アウトリーチ」（必要な当事者にサービスを届け、行きわたるようにすること）という点からの検討も必要であることが分かった。この点については、次の研究課題である「社会的処方」の法的研究において、イギリスの事例などとの比較検討を行っていくことになる。
他方、長引くコロナ禍の関係から、イギリスにおける公衆衛生について、コミッショニングを含めた供給体制等の検討を行った。医療（NHS）とも福祉とも異なる、公衆衛生のシステムとその運用につき、試行錯誤を繰り返していることが分かった。イギリスでも近年は公衆衛生の課題として、肥満や飲酒、喫煙など健康増進施策を中心に取り組んできており、そのための組織体制を整備してきていた。このため現下のような感染症に対する対応能力が低下することになっており、改めて組織機構の改組を伴う対応に迫られている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度も引き続き、コロナ禍の影響による移動制限などのため、計画していた国内外の調査や資料の入手などもままならず、オンライン上の資料の入手にとどまった。これら資料で具体的な活動状況などを知ることはある程度可能であったが、提供体制についてのしくみの詳細についてはまだ十分に把握できていないこと、および、利用者・一般市民の認知度や利用状況などについても十分に把握できていない。また、イギリスとの比較検討も十分に行うことができていない。
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| Strategy for Future Research Activity |
延長した期間において、あらためて、医療と福祉のサービス提供にかかる日本の状況の把握を中心に行い、これまで研究を進めてきたイギリスとの比較検討を行う。
具体的には、地域包括ケアについては、収集している資料の読み込みおよび更なる資料・事例等の収集を行い、実態を含めたサービス内容の理解を深める。また、利用関係の法的構造を分析するため、利用者の利用のしかたおよび提供体制についての資料の入手・検討を行っていく。これらを通して、地域包括ケアシステムの効果的・機能的な作用のために必要な条件などについて検討する。また、次の課題の接点ともなるイギリスの「社会的処方」の実例などの収集等も行い、論点の整理を行う。
加えて、保健所を軸にした日本の公衆衛生のしくみについても、改めて検討に着手する。
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| Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により、年度中に予定していた調査や研究会の実施ができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額として繰り越す予算は、日本の医療もしくは福祉関係文献購入費（いずれも物品費）または英国医療保障もしくは福祉関係文献・資料購入費として利用予定である。
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Research Products
(1 results)
