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2021 Fiscal Year Research-status Report

法律専門職業人賠償責任保険と依頼者保護制度の構築

Research Project

Project/Area Number 17K03460
Research InstitutionAoyama Gakuin University

Principal Investigator

山下 典孝  青山学院大学, 法学部, 教授 (00278087)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2023-03-31
Keywords弁護士賠償責任保険 / 信用保険 / 弁護士成年後見人信用保証制度 / 不誠実保険 / 依頼者見舞金制度
Outline of Annual Research Achievements

ベルギーでは弁護士に対して一定保険金額の弁護士賠償請求保険契約の加入を義務付けているが、当該保険契約においては、弁護士の故意又は重過失によって発生した損害は免責とされている。そこで、別途、弁護士会が保険者との間で不誠実保険という一種の信用保険に加入して、加害者である弁護士が依頼者に賠償義務を履行できない場合に、当該保険によって損害をてん補できることとしている。
我が国でも、同様な仕組みとして、弁護士成年後見人信用保証制度という保険制度があることから、上記のベルギーでの保険制度との対比なども踏まえて、より依頼者保護を進める観点から、成年後見以外の分野にも保険の対象を広げることができるかを検討した。また現行の依頼者見舞金制度による依頼者保護の限界についても検討を加えることとした。
弁護士賠償責任保険契約の対象となるべき弁護士業務の範囲について継続して研究を進めたが研究成果の公表には至っていない。弁護士業務の範囲については裁判例では広く解する傾向にあるが、それが果たして妥当なのかという点について検討を加えた。
弁護士法72条との関係で保険会社が責任保険契約に適用される約款において認められている示談代行において被害者と交渉が行える範囲について引き続き検討を行った。この問題は責任保険に適用される約款において認められている示談代行に限定される問題ではなく、近時、法律的な紛争を伴う可能性のある内容に関しての示談代行を業務とする会社等があり、それとも深く関わる問題でありより慎重な検討が必要となる問題である。
上記の内容を検討してきたが、十分な結論に至ることができず、論文等の研究成果を公表するには至っていない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

コロナ禍で十分な資料収集を行うことができない時期があったこと、弁護士成年後見人信用保証制度の成立から時期が過ぎておらず、まとまった学術的な資料がないことから、法的整理が十分にできていないこと、夏期期間中に不注意で転倒し、1ヶ月余り右腕を骨折等して十分に執筆等を行うことができなかったことから、時間的に遅れてしまっている。

Strategy for Future Research Activity

ベルギーでの弁護士賠償責任保険とは別の制度として、信用保険制度を用いた依頼者保護制度と、わが国で新たに設けられた弁護士成年後見人信用保証制度との相違点やそれぞれの制度が弁護士賠償責任保険の運用において何らかの影響があるかという点に関して研究を進める予定である。
また成年後見に限定せずに依頼者を保護する制度として、信用保険制度の対象とする分野を拡大することに伴う法的問題についても検討を加える予定である。

Causes of Carryover

研究が遅延しており、必要な図書を購入しての研究が進められなかった点がある。コロナ禍もあり他県での研究会での対面報告も実施されなかったため旅費も使用することはなかった。
信用保証保険制度に関連する専門書、ベルギーの損害保険制度の専門書等の書籍の購入、対面での研究会報告が可能な場合は、その出張費に研究費の利用を計画している。

URL: 

Published: 2022-12-28  

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