2019 Fiscal Year Research-status Report
Pentalogy on Fish and Game: Defining the Particulars of Wildlife Law
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17K03503
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
高橋 満彦 富山大学, 学術研究部教育学系, 教授 (10401796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 洋美 東北芸術工科大学, 芸術学部, 教授 (70405950)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 野生動物管理 / 狩猟 / 猟期 / 環境法 / 法社会学 / 資源管理 / 鳥獣保護法 / 鳥獣被害対策 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究は、7本ずつの論文上梓と学会発表ができ、充実が見られた。しかし、追い込みとなる年度終盤では新型コロナ感染症により、研究活動に遅延、停滞を余儀なくされた。 代表者高橋による「猟期考ー野生動物法の時間的各論として」(比較法学)は、研究課題で掲げる五部作の主題の一つである猟期について取りまとめたもので、内外でも当該主題に関するほぼ唯一といえる文献となり、斯界への貴重な貢献であると自負する。狩猟期間の決定要因やその設定に際して必要な考慮事項などを、日英独米にわたって地域的及び法制史的に比較考察したものである。 同じく高橋による論考「資源管理法制に見る知識の重層性」(知識共創)は、五部作中の猟人に関するものであり、狩猟漁労に携わる人々が有する民俗知などがどのように法政策に活かされるのか、さらには法の中に現れる知識には重層性があるのではないかという基礎法学的な問いを発している。 このほか、本年は国際学会(アジア「法と社会」学会)において発表も行い、今後さらに研究成果の国際的発信を広げる足掛かりとする。 さらに、分担者田口は研究成果を踏まえて「「狩猟高度化事業」の提言」を大日本猟友会誌に執筆したり、高橋は羅臼高校において授業実践に携わり、これを当該地域の知床博物館研究報告に発表したりするなど、研究成果の普及アウトリーチにも実績が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
年度初めに米国調査を行うなど、終盤までおおよそ順調に推移してきたが、残念ながら2月以降新型コロナ感染症予防のため、現地調査、聴き取り調査、研究打ち合わせなどを中止するなどしたうえに、キャンパス内での研究も1か月以上「研究活動中止」を指示されたために、遅延が生じた。大学の授業も終わる年度終盤は研究上貴重な時期であるだけに遅延は避けられなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症の猖獗はひとまず収まりつつあるようであるが、見通しが立たない。本研究課題は、遠隔地への出張、僻地の高齢者への聴き取り調査など、感染症予防の観点からは実施が難しいものも多いため、遅延が見込まれる。 当面は、文献からの情報収集と論文執筆に鋭意専念する。 また、研究協力者村上一馬による古文書調査を含めて、現地調査を状況を見ながら再開させ、早期に完了したい。本来であればドイツやケニアなど、当初計画していた海外調査先のうち1か所でも出張し、かつ、取りまとめの研究会を開催したいところだが、少なくとも海外調査は実現困難で、研究会開催も課題が多そうであるので、研究期間延長を申請せざるを得ない見通しである。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、年度終盤の研究活動が停滞したため、次年度使用額が生じた。予算は節約に努めている。
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Research Products
(17 results)