2021 Fiscal Year Research-status Report
Pentalogy on Fish and Game: Defining the Particulars of Wildlife Law
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17K03503
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
高橋 満彦 富山大学, 学術研究部教育学系, 教授 (10401796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 洋美 東北芸術工科大学, 芸術学部, 教授 (70405950)
奥山 正樹 鹿児島大学, 産学・地域共創センター, 特任教授 (60898443)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 狩猟 / 野生動物法 / 狩猟者 / 野生動物管理 / 法社会学 / 資源管理 / 鳥獣被害対策 / 漁撈 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021(令和3)年度は、コロナ禍のために、必要な遠隔地での調査や研究会開催が難しく、思うような活動ができなかったが、その中でも、研究代表者高橋は投稿中の論考2本が採択された。研究分担者田口、奥山も複数の論考、口頭発表等の発表を実現した。 高橋の採択された論考は、鳥獣保護管理が教育現場でどのように扱われているかを調査したもの1本と、鳥獣の撮影・観察に関する論考1本であり、いずれも本研究課題の周縁に連なる論考であるが、2021年度は研究の中核的部分でありながら、今まで進捗が遅れ勝ちだった漁労に関して、河川におけるサケの資源保全管理と採捕に関する研究に着手し、論考の執筆への筋道をつけることができ、進展が見られた。 研究分担者田口は、マタギと狩猟に関する研究を推進しており、公開シンポジウムにおける研究発表の講演など、研究成果の社会還元に努めた。田口は伝統狩猟の専門家だが、2021年度はアイヌ民族の狩猟に関する研究に力を注ぎ、論考の発表を行っている。また、2021年度より研究分担者に迎えた奥山は、場の議論の一環として鳥獣保護区の研究を推進し、学会発表を行ったほか、論考が1件採択された。 このほか、対人調査や現地調査を必要としない文献調査も重視しており、研究協力者村上一馬には古文書調査も実施し、幕藩期の有害鳥獣政策に関連して狩猟鳥獣の歴史的な論考を発表した。 さらに、高橋は2022年3月にUCLA,ニューイングランド大学(豪)、国立政治大学(台湾)などと、先住民族と資源管理に関する連続シンポジウムを企画運営し、本科研の成果の一部の普及に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題は、研究代表者高橋が提案する「野生動物法」の各論構築として、対象動物、場所、時季、道具、人に関する研究成果を上げることである。研究期間の1年目(2019年度),2年目は狩猟者や猟期等に関して順調に成果を出してきた。しかし、3年目(2020年度)から新型コロナ感染症猖獗の影響で、遠隔地や海外でのフィールドワーク等の調査に支障が出ているほか、研究者相互間の研究成果の討論等でやりづらさを経験し、失速していることは否めない。といえども、研究者らは毎年研究成果を積み上げている。特に2021年度からは、ウィズコロナの研究スタイルも会得しつつあり、論考、口頭発表等の発表を実現している。 特に2021年度は研究の中核的部分でありながら、進捗に遅れが見えた漁労に関して、河川でのサケの資源保全管理と採捕に関する研究に着手し、論考執筆への筋道をつけることができ、進展が見られた。 研究分担者田口は、マタギと狩猟に関する研究を推進しており、公開シンポジウムにおける研究発表の講演など、研究成果の社会還元に努めた。田口は伝統狩猟の専門家だが、アイヌ民族の狩猟に関する研究の本格的展開に着手している。 また、2021年度より研究分担者に迎えた奥山は、猟場と対比される鳥獣保護区の研究を推進している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究課題の完成に向けて成果のとりまとめに邁進したい。 2021年度には論考3本が採択され2022年度に出版されるほか、サケ漁を含めて複数本の投稿を予定している。 また、学会発表も積極的に行いたい。 最終年度とする予定なので、研究成果発表会を開催し、新たに獲得した科研研究課題につなげていきたい。
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Causes of Carryover |
現地調査などが多い研究のため、コロナ禍で研究活動が停滞を余儀なくされ、次年度使用額が生じた。予算は節約に努めている。 繰越した助成金は、追加調査、研究会開催、学会発表等の旅費及び資料購入費並びに論文投稿費、抜刷印刷費等に充てる。
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Remarks |
普及活動: 高橋満彦"Natural Resource Policy, Culture and Law" UCLA Engaged Scholarship in the Asia Pacific Webinar(企画・コンビ―ナー)2022年3月 田口洋美「縄文・アイヌ・マタギから学ぶ森と人との豊かな関係」、東北の豊かな森づくりネットワーク(招聘講演)2022年2月
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Research Products
(7 results)