2018 Fiscal Year Research-status Report
女性差別撤廃条約総括所見をめぐる総合的研究:日本の国内実施体制と阻害要因を中心に
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17K03520
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Research Institution | Kyoto Human Rights Research Institute |
Principal Investigator |
吉田 容子 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 研究部長 (30469168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MENSENDIEK M 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 嘱託研究員 (00288599)
源 淳子 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 嘱託研究員 (10465958)
米田 眞澄 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 専任研究員 (20411887)
山下 明子 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 嘱託研究員 (20465959)
山下 泰子 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 嘱託研究員 (40174685)
三成 美保 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (60202347)
澤 敬子 京都女子大学, 現代社会学部, 准教授 (60340444)
林 陽子 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 嘱託研究員 (60386696)
堀江 有里 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 嘱託研究員 (60535756)
伏見 裕子 大阪府立大学工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (60747492)
馬場 まみ 京都華頂大学, 現代家政学部現代家政学科, 教授 (80218677)
斧出 節子 京都華頂大学, 現代家政学部現代家政学科, 教授 (80269745)
軽部 恵子 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 嘱託研究員 (90288960)
谷口 洋幸 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 嘱託研究員 (90468843)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ジェンダー / 女性差別撤廃条約 / 人権条約の国内実施 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度では女性差別撤廃条約及び総括所見の日本国内における様々な分野での実施状況を検討し、実施が進まない要因を洗い出し、整理した。2018年度は、引き続き月毎に研究会を開催し、前年度に洗い出した阻害要因にさらに焦点を当て、労働・雇用、司法、日本軍「慰安婦」問題、女人禁制、家族制度、LBTの権利保障、就労と家庭生活の両立、生殖の権利、教育における家庭教育、徳育などの分野において女性の平等の実現を妨げている制度やその形成過程、社会の意識、慣行や文化などについて、議論を行った。そのうえでそれらに通底しているのが、(1) 政治的意思の不存在、差別禁止法の不存在、男女の平等を推進するナショナル・マシナリーの不十分、差別的な法・司法制度など既存の制度の問題、(2) 教育、メディアによって再生産される性別役割観念に基づく、慣行や意識の問題、および(3) その二つの重層的な作用であることを確認した。 また、女性差別撤廃委員会個人通報作業部会長を研究会の講師に招き、女性差別撤廃条約選択議定書の下の個人通報制度及び調査制度による条約の国内実施の促進や選択議定書の批准に向けての取組について意見交換を行なった。さらに、国際人権法学会第30回研究大会の「フェミニズム国際法学」研究グループのインタレスト・グループ報告会において報告を行なったほか、ジェンダー法学会第16回学術大会のワークショップにおいても報告し、参加者と意見交換した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
月ごとに研究会を開催し、計画に沿って研究を進めたほか、学会のインタレスト・グループ、ワークショップで報告するなど、外部からの知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、女性差別撤廃条約及び総括所見の各分野における実施の困難な状況を検討し、それらに通底する要因を特定した。今年度はさらに、各分野に再び立ち戻り、性別役割観念がどのように存続しているのか、どのように維持されているのかについて、さらに検討を加える。また、これまで十分に議論ができていなかった政治・政策決定の分野について、外部の知見を得て、阻害状況について検討する。そのうえで阻害要因の相互作用について、さらに分析を行い、条約及び総括所見の実施の促進に向けた対策を検討する。
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Causes of Carryover |
書籍の購入にあたり、端数が残ったが、次年度の物品購入に合わせて使用する。
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Research Products
(24 results)