2019 Fiscal Year Research-status Report
制度変化が企業金融・企業行動に及ぼす影響に関する実証分析
Project/Area Number |
17K03812
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
小野 有人 中央大学, 商学部, 教授 (40756342)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 企業金融 / 銀行 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本の企業金融に係る制度変更が企業の資金調達やパフォーマンスに及ぼす影響について、「銀行株式保有制限規制」、「金融円滑化法」を題材として実証分析を行うことである。令和元年度は、第一に、「銀行株式保有制限規制」について、鈴木健嗣、植杉威一郎(ともに一橋大学)との共著のワーキングペーパーを国際査読学術誌共催のコンファレンスに投稿し、採択された。コンファレンスでの討論コメントを踏まえて論文の改訂を行い、当該学術誌に投稿した。第二に、「金融円滑化法」については、大橋和彦、宮川大介、安田行宏(いずれも一橋大学)との共著のワーキングペーパーについて、Columbia Business School “Japan Economic Seminar”(2019/3)での討論コメントを踏まえた改訂作業を行った(現在も継続中)。第三に、物的担保・経営者保証が起業に及ぼす影響について新たに分析を行い、本庄裕司(中央大学)、鶴田大輔(日本大学)との共著のワーキングペーパーを執筆した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度は、英文ワーキングペーパーの改訂を行い、国際的な査読学術誌への投稿を予定していた。「研究実績の概要」に記したとおり、「銀行株式保有制限規制」については予定通り進捗しているが、「金融円滑化法」については、改訂作業中にデータセットを再構築する必要があることが判明したため投稿に至らず、研究期間を延長することとした。他方で、「物的担保・経営者保証と起業」に関するワーキングペーパーを執筆したことは、当初の計画以上の進展であったと評価できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
「銀行株式保有制限規制」については投稿中の国際的な査読学術誌の結果を踏まえて対応する。「金融円滑化法」については、改訂作業を終えて、国際的な査読学術誌に投稿する。また、新たに取り組んだ「物的担保・経営者保証と起業」については、国内外の学会・セミナー等で研究発表を行い、コメントを踏まえて改訂作業を行う。
|
Causes of Carryover |
1~3年目に計170万円の旅費の使用を予定していたが、投稿した国際学会での採択が4件に留まったこと、採択された4件のうち1件は東京で開催され1件は招待であったこと、等の理由により、未使用額が生じた。また、研究内容の変更に伴い、予定していたデータ購入(物品費)を見送った。旅費、物品費ともに次年度に支出する予定である。
|
Research Products
(5 results)