2017 Fiscal Year Research-status Report
ユーザー協働型イノベーションを支援するソーシャルメディア活用に関する実証研究
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17K03910
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
井戸田 博樹 近畿大学, 経済学部, 教授 (10352957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 常二 近畿大学, 経営学部, 教授 (70398501)
辻 正次 神戸国際大学, 経済学部, 教授 (90029918)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ソーシャルメディア / ユーザー協働型イノベーション / ソーシャルキャピタル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本企業がソーシャルメディアを活用して、ユーザー協調型イノベーションを促進するための方策について提言を行うことである。初年度である今年度は、以下の3つの観点から研究を行った。 1.ソーシャルメディアと企業パフォーマンスの関連性に関する研究 2.ソーシャルメディアを含むICTの活用により企業がいかに外部から情報を獲得し、それらをイノベーションにどのように活用しているかのメカニズムの解明 3.一般消費者のソーシャルメディアの利用状況とユーザー協調型イノベーションへの参加状況の把握 1.ソーシャルメディアは、ユーザニーズの認識、ブランディング価値の向上、新規顧客の獲得、顧客の購入額の増加に有益であり、これらを通じて、企業の売上の向上に役立つことを明らかにした。【論文1】 2.企業が消費者や顧客企業と連携してイノベーションを行うことは、ニーズに合わせた商品開発を行う上で重要である。日本企業やASEAN企業への調査結果から、ニーズや技術情報などを収集するには人的資源交流に加えてソーシャルメディアを含むICTの利活用が欠かせないこと、また社内のR&D部門のマネジメントシステムや人材開発の在り方が成果に影響していることを明らかにした。【論文2-7】 3.インターネット利用者に対するアンケート調査を実施した。その結果、若年層を中心に多くの一般消費者がソーシャルメディアを日常的に利用していること、比率は少ないものの自ら商品の開発や改良を行うユーザイノベーションを行う消費者や企業の商品開発に関わっている方の存在が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献調査、ソーシャルメディア活用に関する研究会への参加、仮説設定と調査項目の洗い出しを行った。それらを通じて得た知見から、一般消費者3,000人に対してアンケート調査を実施した。実施内容は、ソーシャルメディアの利用状況、ネットコミュニティへの参加状況と参加のメリット、ユーザーイノベーションを含む新商品開発・商品改良への参加の有無と関わり方、それらを行うモチベーションやインセンティブ、属性情報などである。また、ソーシャルメディアの利活用やICTを用いたイノベーションに関する一連の研究報告や論文を公刊した。【論文7本、国際学会発表3件】
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Strategy for Future Research Activity |
本年度実施したアンケート調査データを分析し、国内外の学会で発表する。今回のアンケートにより、一般消費者側の状況が把握できたので、ここで得た知見を参考に企業担当者にインタービュー調査やアンケート調査を実施する計画である。
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Causes of Carryover |
文献購入予定の洋書が入手不可になり、若干の未使用額が発生した。未使用額と次年度分に申請した助成金は、文献購読代金、企業へのインタビュー調査、アンケート調査、学会発表に伴う諸経費として使用する計画である。
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