2020 Fiscal Year Annual Research Report
The effectiveness of Appreciative Inquiry as a human resource development method to promote social support
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17K03928
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
厨子 直之 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (40452536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井川 浩輔 琉球大学, 国際地域創造学部, 准教授 (80433093)
開本 浩矢 大阪大学, 経済学研究科, 教授 (90275298)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アプリシエイティブ・インクワイアリー / 研修効果測定 / ソーシャル・サポート / 心理的資本 / 計量誌学的分析 / ヒューマン・サービス組織 / 縦断調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,ポジティブな心的エネルギーの中核概念である心理的資本に着目し,アプリシエイティブ・インクワイアリー(以下,AI)を通じて,ヒューマン・サービス組織における管理職による部下へのソーシャル・サポートがいかに促進されるのか,そのメカニズムについて明らかにすることにある。本年度の研究実績は,以下の2点に集約できる。 第1に,AI研修の定量的な効果測定である。具体的には,A病院の看護師を対象に心理的資本,ソーシャル・サポート提供行動,組織市民行動,創造性,離職意思といった,AI研修がソーシャル・サポート提供行動に結び付くプロセスを説明するうえで有効な心理尺度に関する質問票調査を実施した。予備調査としての初年度は1時点で,2018年度~2020年度は研修前後の2時点で測定を行った。今年度も4種類のAI研修において各2回,計8回にわたってデータを収集できたことは,COVID-19の極めて厳しい調査環境の中,大きな成果であるといえる。目下,分析中であるが,概ね心理的資本を基軸に,AI研修とソーシャル・サポート行動の関連性を説明可能な見込みである。 第2に,心理的資本研究の体系的な整理と研究全体の貢献に関する精緻化である。今年度は本研究プロジェクトの最終年度のため,本研究全体が既存研究に与える意義を明確にすることを目指した。具体的には,研究発表欄に記載のLuthans, et al.(2015)の翻訳書を出版し,心理的資本を調整変数や媒介変数とした研究が数少なく,本研究の媒介モデルに新規性があることが判明した。さらに,心理的資本の計量書誌学的分析を行い,ポジティブ変数とネガティブ変数の両方を組み込んだ分析モデルを検証する研究がほとんど見当たらず,組織市民行動や創造性ポジティブな変数のみならず,離職意思というネガティブな心理変数も投入した本研究に独創性があることが確認できた。
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Research Products
(6 results)