2019 Fiscal Year Annual Research Report
The study on method and cost of "reasonable accommodation" of companies on employment of persons with disabilities
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17K03963
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
眞保 智子 法政大学, 現代福祉学部, 教授 (10341794)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 障害者雇用 / 合理的配慮 / 精神障害者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、企業の合理的配慮提供の方法と負担の程度の実態を把握し、企業の費用を構成する要素を明らかにすることを目的としている。障害者を雇用するために障害者雇用促進法に基づき設立される特例子会社10社へのインタビュー調査を行った。 精神障害者は「見た目では捉えにくい障害」であり、再発・再燃だけでなく回復することも含めて「状態が変動する障害」である。雇用期間を通じて不安定要因に対する対応が必要であることが明らかになった。精神障害のある労働者の障害特性である体調の「波」の底にある「不安」「不信」「自己と他者への不満」「焦燥」、おさまっていたものが一時的に強く表れる「幻聴」「幻臭」などを抱え、気軽に相談できる人がいないと孤立感を高め、さらに状況が悪化してしまう。こうした悪循環に陥る前に体調の「波」の変調を自らと職場の上司とが客観的に捉えられるツールの開発により企業の合理的配慮提供の方法と負担の程度の実態を把握できるのではないかと考えるに至った。 インタビュー調査の結果と高齢・障害・求職者雇用支援機構(2016)の調査で示されている「職場以外の人間関係や生活態度に問題がある場合への対応」や「対人トラブルを起こしかねない他罰的な傾向がある場合への対応」など6項目で構成される「行動対応」因子、「労働時間の変更など本人の障害特性に応じた労働条件の調整」や「通院や服薬状況を含めた体調の把握」など8項目で構成される「雇用管理」因子とされた企業の困難感を測ることができるように設計し、企業の人事担当者、支援機関の就業支援員、弁護士と研究者から助言を得て「RP:reflection paper」を開発した。
文献 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構障害者職業総合センター(2016)『「精神障害者の雇用に係る企業側の課題とその解決方策に関する研究』「調査研究報告書」 No.128,102-127.
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