2019 Fiscal Year Research-status Report
ビック・ピクチャデータ分析の方法論確立のためのシステム構築と基礎研究
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17K03992
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
江戸 克栄 県立広島大学, 経営管理研究科, 教授 (80318592)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ピクチャマイニング / ビッグピクチャデータ / 防災マーケティング / ソーシャル領域 / 恐怖感情 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究成果としてピクチャマイニングの「最適適用領域」の結果では、グローバル領域における有効性がある程度確認できた。本年度も引き続き研究対象領域としての有効性についての研究を行った。本年は、近年の自然環境変化による災害が多発していることから、ソーシャル領域の一つとして、防災分野におけるピクチャマイニングの有用性について研究を行った。当初の予定では、ビッグ・ピクチャデータ分析のためのシステム構築の基礎研究を行う予定であったが、社会的課題としての重要性を考慮して、「最適化領域」について研究を深堀していくことに集中した。 防災ピクチャマイニング研究会を立ち上げ、概念整理を行った後に、ピクチャが恐怖感情喚起に与える影響を定量的に分析することになった。2020年2月に2018年~2019年に風・水害に被災した地域(宮城県,千葉県,神奈川県,大阪府,兵庫県,広島県,福岡県,熊本県)計8県在住の男女20~50代の10,000名に対してインターネット調査を行った。調査の結果、ピクチャの提示の仕方によって、恐怖感情喚起に与える影響があることが明らかとなった。特に現状を伝えるピクチャとその後の結果となるピクチャを組み合わせること、または文字情報との組み合わせで、恐怖感情を喚起することが示唆される研究となった。2020年9月に実施される日本感性工学会にて学会報告を行う予定である。 尚、前年度の調査結果を活用して、ピクチャを用いた市場メイブン発掘のための研究をテーマとして、American Marketing Association 2020 Winter Conferenceで学会報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が平成30年度から経営管理研究科ビジネス・リーダーシップ専攻の専攻長として任命され校務中心に動かねばならなかったこと、平成30年西日本豪雨 という未曾有の災害があり、広島県内の各市町村から、防災・減災に関するリサーチの依頼が多くあった。さらには年度末にかけてCOVID19の影響を受けて、対面方式の研究調査や研究会を予定通りに実施することができず、当初の予定よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ピクチャマイニングのソーシャル領域での適用(防災ピクチャマイニング)を含めて、ピクチャを定量的に分析するための手法について開発をしていく。特に、AIを用いた分析を行うための教師データを収集分析することを研究の柱として推進していく。
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Causes of Carryover |
当初行う予定であった、研究のためのシステム構築を変更しており、社会的要請に応える形で、ソーシャル領域(防災分野)におけるピクチャマイニング研究を行ったため、システム構築関係の費用を使用しなかった。この研究費は、次年度にソーシャル分野におけるビックピクチャマイニングを社会システムの中で構築していくために該当させていく計画である。
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