2017 Fiscal Year Research-status Report
来街地ベース回遊パターンの一致推定法アルゴリズムの動学化とその検証
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17K04032
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
岩見 昌邦 福岡大学, 公私立大学の部局等, ポスト・ドクター (60629541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山城 興介 日本文理大学, 経営経済学部, 准教授 (00514150)
斎藤 参郎 福岡大学, 経済学部, 教授 (50111654)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 回遊行動 / ビッグデータ / WiFiセンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究チームは、2017年の5月の約1か月間、福岡市博多駅の隣接する交通系ターミナルビルにおいて、社会実験を行った。 具体的には、ターミナルビルの各フロアにWiFiセンサーを設置し、ターミナル来館者がもつスマートフォンのWiFi接続のやりとりの信号ログを収集するといったものである。このシステムは、設置したWiFiセンサーが、その周辺にいる来館者所有のスマートフォンやタブレット等の携帯端末機器が発信するWiFi信号を感知し、自動的にデータを収集するといった仕組みになっている。収集するデータは、機器を一意に識別する暗号化済みのMACアドレス(Media Access Control Address)、また、そのMacアドレスがどのWiFiアクセスポイントで受信されたかというWiFiアクセスポイントの接続履歴と接続が確認された日時データが収集される。このログデータを各来館者の館内の回遊移動データと見立て、館内の回遊移動のパターン等を把握することを試みた。 この期間に収集したレコード数は、32,508,750レコード、また、ネットのMacアドレスのレコード数は、これまでのアンケート調査でいうところのサンプル数、被験者数に置き換えることができ、602,510人が計測され、まさにビッグデータといえる。 本年度は、上記データを用いて、これまで研究チームが構築してきた統計手法を適用することで来館者の館内回遊パターンの推計を行い、その成果を日本地域学会にて報告した。 今後は、他の施設での社会実験の実施を模索していきながら、現在までに収集したデータをさらに詳細にみていき、新たな推計モデルの構築を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まずは初年度に、某商業施設でにおいて、社会実験を実施し、消費者の移動履歴データ(正確には、移動ログ)を入手できたことは、計画通りに進んだといえる。 現在までの分析結果を、全国学会で報告した点も評価できる。 しかし、本研究課題の最大の目標である動的モデルの構築の足掛かりを掴んだにすぎないので、さらなる研究を進めていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、他の施設での社会実験の実施を模索していきながら、現在までに収集したデータをさらに詳細にみていき、新たな推計モデルの構築を目指す。
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Causes of Carryover |
5月に実施した社会実験の経費が、当初、考えていた金額よりも安くすることができた。 残った金額については、2017年度に購入を予定していたコンピューターのスペックをランクの高いものに切り替えたいと考えている。
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