2017 Fiscal Year Research-status Report
環境経営における組織成員の動機付けと組織文化に関する経験的研究
Project/Area Number |
17K04088
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
木村 麻子 関西大学, 商学部, 教授 (30389233)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北田 皓嗣 法政大学, 経営学部, 准教授 (90633595)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | サステナビリティコントロールシステム / マネジメントコントロールシステム / 環境経営 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は日本企業の環境経営に関するケース研究の成果について草稿を作成のうえ、積極的に学会発表を行い種々の示唆を得て、草稿の修正のために必要な追加調査を行うことに重きを置いた。 1.草稿の作成と報告(1):サステナビリティマネジメントに取り組み、マネジメントコントロールシステム(MCS)とサステナビリティコントロールシステム(SCS)の統合を図る企業に関する草稿を作成した。社会学に基づくフレームワークをもとに日系企業グループの本社と2事業会社に関するケースを記述した。草稿では、本社環境部門が構築し、またMCSとの統合を図っている同一のSCSを提供した場合でも、各事業会社の取る行動と従業員のモチベーションは異なることを強調している。草稿は英文で執筆し、2つのワークショップおよび1つのカンファレンスで発表した。発表の結果、追加調査すべき事項について種々の示唆を得た。 2.追加調査:草稿に対する示唆をもとにケース企業に追加の調査を行った。調査にあたっては、企業の協力を得て、約40名の環境担当者に対して事前に調査項目を配布し回収した上でインタビューを行う半構造化調査を実施した。インタビューの合計は、約16時間程度であり、本社および各事業部・事業所に所属の環境担当者を対象としている。必要に応じて追加の質問等を主としてメールにて行った。調査結果はレポートとして企業と共有して収集した情報に誤りのないように努めている。 3.草稿の修正と報告(2):追加調査から得られた情報をもとに修正して国内の学会にて発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り草稿の作成と実務に関する追加のインタビュー調査を行った。草稿は英文で作成し、国内外で学会報告を行い追加調査のための種々の示唆を得ることができた。追加の調査はそれらの示唆をもとに効率的かに行うことができた。また、企業の理解を得て環境担当者約40名というかなり広範囲な調査から多様なデータを得ることができた。平成30年度以降に向けて土台の形成はできたと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、平成29年度の成果を基礎として理論化を進め、学会報告を行う。また企業から得られたデータを元に作成したレポートをもとに当該企業で意見交換会等を行ってデータの正確性の確認や追加のデータ収集を平行して進める。学会報告および調査確認を通じてフィードバックを受け、より洗練された理論の構築を目指す。
|
Causes of Carryover |
一部の調査予定を平成30年度に繰り越したため、該当分の出張旅費を次年度使用額として繰り越した。 また、30年度には引き続き積極的にカンファレンスやワークショップでの発表を行って論文の修正を進める。また、修正のために追加のインタビュー調査等を行う。
|