2018 Fiscal Year Research-status Report
(Re-)Constructing Historical Sociology: Meta-analysis of Global Histories
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17K04102
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山下 範久 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (90333583)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メタヒストリー / 歴史理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も前年度に引き続いて、当該研究の前提として先行して実施していた、立命館大学アジア・日本研究所研究推進プログラム採択研究プロジェクトである「『大分岐』と『大収斂』:アジアからの世界史像の再構築」と連動して研究を進め、前年度に行った第一段階の理論的検討を踏まえて、第二段階(「グローバル・ヒストリーを素材とした検討」)に作業を移行させた。上述の同プロジェクトは本年度が最終年にあたり、その成果は『教養としての世界史の学び方』として出版された。同書には、上述の本研究計画第二段階の研究成果が含まれている。また2019年3月10日には、同書の刊行をふまえて、遠藤乾教授(北海道大学)、芝崎厚士教授(駒澤大学)、末近浩太教授(立命館大学)、小田中直樹教授(東北大学)、島田竜登准教授(東京大学)、奈良勝司助教(立命館大学)を招聘して、ワークショップと合評会を実施し、特に歴史学と社会科学との相互関係について検討を深めた。 また並行して第一段階の作業のうち前年度から持ち越したメタアナリシスに関する分析については、他の作業の進捗から得られた知見にしたがって計画のマイナーな修正を行い、それにそって資料の収集を進めた。 また研究の進捗に伴って、歴史的な社会科学の基礎概念を再考する新たな研究プロジェクトとの横の連携の可能性が浮上した。「グローバル関係学の時空論的基礎付け」(仮称)として、主に国際関係論分野の既存の複数のプロジェクトが合流する新規プロジェクトに、本研究もその成果を踏まえて合流することとなった。同プロジェクトからのフィードバックは、本研究計画の第三段階の作業の射程を延長することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
作業全体としては、予定通り、計画に示した第二段階に進んでいるが、前年度に計画の変更が生じた第一段階におけるメタアナリシスに関する作業については、再調整された計画に従って作業を進めており、資料の収集についてはほぼ計画にしたがって進んでいるが、当初計画のペースに照らして作業を進捗の遅れを完全に取り戻すには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画の第三段階すなわち「第二段階の応用分析の結果を評価することで、歴史社会学を基礎づける哲学的・方法的規準にフィードバック」し、「歴史社会学の(再)基礎づけに向けた総括」を行う作業に取り掛かる。計画の再調整のために進捗に遅れが生じているメタアナリシスに関する分析を年度の前半に集中して行い、キャッチアップを果たし次第、第三段階の作業にとりかかって年度内に成果を出すことを目指す。 また上述の「グローバル関係学の時空論的基礎付け」(仮称)プロジェクトにも参加して、本研究へのフィードバックを目指す。
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Causes of Carryover |
本務校において、計画時には確定していなかった学外研究を命じられたため、計画時に予定していた国内出張のいくつかを延期したこと、および第一段階のメタアナリシスに関する作業計画の調整により謝金を用いての作業の進捗を後ろ倒しになっていることによる。 学外研究は2019年前期で終了するので、延期された国内出張は学外研究終了後に、実施するとともに、メタアナリシスに関する作業は2019年度前半に完了させ、ふまえて謝金を用いての作業にすみやかに移行する。
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