2018 Fiscal Year Research-status Report
Study on social liminality of rare disease patients
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17K04126
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山中 浩司 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40230510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ヤマモト ベバリーアン 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (10432436)
岩江 荘介 宮崎大学, 医学部, 准教授 (80569228)
樋口 麻里 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(PD) (80755851)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 希少疾患 / 難病 / 就労支援 / 聞き取り調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、希少疾患当事者への聞き取り追加調査を3件実施(これまでに実施した調査と合わせて66件)、ほかにフォローアップ調査を2件実施し、また、患者団体、支援団体関係者(RDneT,AASJ, NPOネクスト、さおり広場、大阪府)とも相談、会合をもった。協力関係にあるRDneTの事情により、研究協力者の確保に時間を要したため、追加調査の件数が計画に及ばなかった。来年度は改善する予定である。難病者の就職支援施策について、関係者の意見を集約し、特に大学生のための就活支援情報ウェブサイトの構築を行った(EKKYO:障害や健康上の理由などで就活に不安を覚える学生のための情報サイトhttp://ystmk.xsrv.jp/shukatsu/)。公開は2019年4月後半を予定している。中間報告書のサマリーの英訳については予算の関係で今年度は実施できず翌年度の課題とした。分析については、66件のインタビューデータについて、社会カテゴリーとステレオタイプに関わるデータのコーディング作業を進めている。2018年7月のISA World Congress of Sociology(Toronto, Canada, Jul. 15-21, 2018)にて希少疾患における診断および未診断の効果に関する報告(H.Yamanaka, Medicalizing or Demedicalizing? : Evaluating the Impact of Diagnosis and Undiagnosis on Individual Patients’Lives)を行い、この分野の研究者と意見交換を行った。なお、2018年10月に本研究課題をプロジェクトの一部に含む大阪大学ユネスコチェア「グローバル時代の健康と教育」が、正式にユネスコにおいて認証され、本プロジェクトは、その活動の一部として、他のプロジェクトとの連携を進めている(ユネスコチェアには研究資金はないため、資金的な重複はない)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度については、追加の聞き取り調査協力者の確保が困難であったこと、また、海外の学会での報告に研究費を支出したため、国内の調査旅費と翻訳費用の手当が困難になったことから、当初予想していた15件の追加調査のうち3件しか実施できず、また、中間報告書サマリー部分の英訳も見送らざるを得なかった。聞き取り調査を最終年度まで持ち越すことを前提に計画を再構築しているが、来年度については一定程度調査を継続できる見通しである。ただし、障害・難病を抱える大学生のための就活支援サイトの構築はほぼ終了したため、この部分ではやや進捗があった。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度については、聞き取り調査の追加15名をできるだけ維持し、がん患者のデータとの比較を進めたい。海外での報告によって研究費の多くが失われるため、報告の場を国内学会に変更し、調査旅費と翻訳費の確保に努めたい。就労支援のための取り組みネットワークについては、構築したウェブサイトを中心にモニター学生を募り、当事者を含めたネットワーク形成を行い、年度末にワークショップを開催する予定である。2020年度については、聞き取り調査を継続し、当初の予定の件数に近づけたい。またフォローアップ調査を実施し、最終報告書の作成に向けて分析をまとめたい。
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Causes of Carryover |
今年度、分担研究者として参加していた樋口麻里が、北海道大学に移動するなどしたため、当初予定していた調査研究を実施できず、また、分析のための研究会議も順延している。次年度使用額については、順延した調査研究を北海道大学において実施するために使用の予定である。関西での調査打合せ会議に旅費が必要になったため、それについても次年度の使用計画に含める予定である。
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Research Products
(2 results)