2018 Fiscal Year Research-status Report
手話を用いる聴覚障害女性の生活構造に関する文献調査・実証研究
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17K04194
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
小林 洋子 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 講師 (20736657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大杉 豊 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (60451704)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 聴覚障害 / 手話言語 / 女性学・ジェンダー論 / エンパワメント / ワークライフバランス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、聴覚障害のある女性個人の生活構造に焦点を当てて、彼女たちの社会参加における聴覚障害の側面、手話言語の側面、ジェンダー(女性)の側 面それぞれの課題を索出し、聴覚障害のある女性が置かれている状況を改善するための条件を明確にすることである。
昨年度は、国内外における聴覚障害のある女性を取り巻く研究動向を把握することを目的として、国内外の現状を調査した。具体的には、文献資料をはじめ報告書や文書などの収集と分析を行った。また、世界ろう連盟主催の3rd International Conference of the World Federation of the Deafに出席し、世界各国から集まってきた聴覚障害のある女性の専門家および活動家へのヒアリングおよび情報収集を行い、最近の各国における動向把握を行った。
本年度は、まず昨年度に引き続き、国内外における文献資料をはじめ報告書や文書などの収集と分析を行い、データベース化を図った。次に、国内における聴覚障害のある女性が置かれている実態を明らかにするために、聴覚障害のある女性へのヒアリング(面接)調査を行い、聴覚障害のある女性を取り巻く様々な問題(家庭、教育、キャリア、地域社会参加など)および心理的状態について聞き出しを行った。また、世界で唯一の聴覚障害者のための大学であるギャローデット大学で開催された、デフスタディーズカンファレンス(ろう者学国際会議)をはじめ、国内の障害関連学会において、研究成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、昨年度以降実施してきた国内外の文献調査で得られた情報を軸に、国内における聴覚障害のある女性への面接調査を行い、彼女たちが置かれている境遇や日常生活について聞き出しを行うことができた。また、これらの調査で得たデータの分析や解釈の結果を学会等で発表し、一般公開することで学内外における情報発信ならびに啓発活動に結びつけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年度までに実施した文献調査ならびに面談調査で得られたデータを分析して、聴覚障害のある女性の生活構造の類型化を行い、文献調査データと照合して分析し、聴覚障害のある女性が置かれている状況を改善するべく今後望まれる要求条件の明確化を行う。また、分析と解釈の結果を学会等で発表し、学内外における情報発信および啓発活動を行う。
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Causes of Carryover |
物品費と研究補助費の支出が少なかったことに加えて、聴覚障害のある女性へのヒアリング調査における謝金の支払がなくなったために次年度使用が生じた。 次年度は、パソコン関連用品を含む物品費をはじめ、研究成果発表にかかる諸経費(国際学会、国内会議)、研究補助費、研究成果投稿等にかかる諸経費にあてることを予定している。
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