2018 Fiscal Year Research-status Report
Relations between QOL and recovery of the people with mental disabilties and service evaluations: effect measures by panel survey
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17K04207
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
石田 賢哉 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (50457743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 勉 東京福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (40554465)
手塚 祐美子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (40610829)
中川 正俊 田園調布学園大学, 人間福祉学部, 教授 (80350693)
清水 健史 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (80438077)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 精神障害者 / リカバリー / QOL / パネル調査 / 障害福祉サービス / 福祉ニーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、福祉サービスの利用によってどのように精神障害者のQOLが向上し、リカバリーが促進されるのかを統計的手法によって明らかにすることである。リカバリーの測定はRecovery Assessment Scale (RAS)を使用した。RASは最小値24、最大値120であり得点が高いほどリカバリーが促進していると評価ができる。横浜市及び青森県の35の施設・事業所の協力を得て、平成29年10月に第1回目のQOL及びリカバリーに関するアンケート調査を実施した。平成30年度は、6か月後の調査を平成30年4月(第2回目)に、1年後の調査を平成30年10月~11月(第3回目)に実施した。調査は任意であり、同意の得られた利用者のみ回答をしてもらい、施設・事業所職員も調査内容がわからない形で回収をした。 ベースライン(第1回目)619名(RAS回答521名)、6か月後(第2回目)211名、1年後(第3回目)72名から回答を得ることができ、データの連結をおこなった。 ベースライン時のRAS平均値は82.6(SD=19.0)、6か月後の平均値83.2(SD=19.2)、1年後の平均値83.7(SD=18.8)となっていた。全てにおいて最小値は24、最大値は120となっていた。 研究対象は障害福祉サービス利用が1年未満の者であり、ベースライン―6か月後のRAS回答は31名であった。ベースライン時のRAS平均値81.6(SD=19.8)、6か月後85.4(SD=19.8)で平均値の差は有意傾向にあった(df=30、t=1.61、p=0.119)。障害福祉サービス利用開始から6か月の経過のなかでリカバリーが促進された利用者が多いことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)6か月後調査(2回目)、1年後調査(3回目)を実施することができ予定通りの進捗状況である。ベースライン、6か月後の両方のRAS回答者は約180名となっている。1年後まで連結できたケースは72名である。再度調査協力を依頼して、追跡調査の対象者数を増やすことも検討している。 (2)ベースライン時の調査のさらなる分析を行い、論文として投稿していく。 (3)縦断調査として連結できたデータをもとに、量的分析をおこなっていく。 (4)質的調査が平成30年度に実施できなかったため、31年度に実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
3回目まで調査を実施することができたが、データ連結が可能なケースが72名となっているため、もう一度調査協力を依頼して実施をして、分析対象数を増やしていきたい。併せてインタビュー調査を31年度に実施して、リカバリーを促進する要因、QOLを高める要因を環境的側面から検証していきたい。 縦断調査として分析結果をもとに本年度は報告書を作成する。
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Causes of Carryover |
当初、調査票の返送は個人単位で行うことを予定していたが、施設・事業所の協力のおかげで、調査票の返送も施設・事業所単位で実施が可能となり、切手代等の郵送費が少なく済むことができたため。 パネル調査をおこなっていて、パネルの摩耗が起きているため、再度調査協力を依頼し、連結可能なデータ数を増やす必要がある。
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