2019 Fiscal Year Annual Research Report
Relations between QOL and recovery of the people with mental disabilties and service evaluations: effect measures by panel survey
Project/Area Number |
17K04207
|
Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
石田 賢哉 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (50457743)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 勉 東京福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (40554465)
手塚 祐美子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (40610829)
中川 正俊 田園調布学園大学, 人間福祉学部, 教授 (80350693)
清水 健史 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (80438077)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | リカバリー / 主観的QOL / 障害福祉サービス / 利用満足度 / 縦断研究 / 反復測定分散分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、福祉サービスの利用によってどのように精神障害者のQOLが向上し、リカバリーが促進されるかという時系列的な変化を統計的手法によって明らかにすることであった。ベースライン、6 か月後、1 年後の計3 回のパネル調査を実施した。アウトカムをQOL とリカバリー(RAS)として、それらに影響を与える要因として、福祉サービス評価とした。 調査対象は、横浜市内及び青森県内にある障害福祉サービス等を利用している精神障害者で、自記式調査の実施が可能な利用者である。3回のパネル調査すべてにおいてRASの回答があった利用者は84名であった。84名を対象に反復測定分散分析をおこなった。 リカバリーと福祉サービス利用満足の関連について、福祉サービス利用満足度の高い利用者は安定したリカバリーを示し、福祉サービスに対して低い満足度を示している利用者はリカバリーが促進されにくいという結果であった。リカバリーと主観的QOLの関連について、主観的QOLが高い利用者のほうがリカバリーは促進され、主観的QOLの低い利用者はリカバリーが促進されにくいという結果であった。福祉サービスの利用目的に余暇や息抜きを挙げていた利用者はリカバリーの上昇がみられた。 「リカバリー」と「主観的QOL」、「福祉サービス利用満足」は、相互に影響をしあうものであると考えられる。利用者が満足できるような福祉サービスを提供し、利用者がリラックスできるような福祉サービスを提供することによって、利用者のリカバリーは促進され、主観的QOLの向上につながる可能性が高い。余暇や息抜きができる福祉サービスがあり、そのことを利用者自身が自覚できる(利用目的として自覚できている)ことで、利用者のリカバリーは促進されるのである。利用者が安心できる環境を設定することが、利用者のリカバリー促進にとって極めて重要な条件である。
|
Research Products
(1 results)