2019 Fiscal Year Annual Research Report
A comprehensive study on factors promoting participation in volunteer activities - focusing on relations with social capital -
Project/Area Number |
17K04214
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
塚本 利幸 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (40315841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟木 紳介 福井県立大学, 看護福祉学部, 准教授 (50315842)
橋本 直子 福井県立大学, 看護福祉学部, 准教授 (40585345)
永井 裕子 福井県立大学, 看護福祉学部, 助教 (70460590)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ボランティア活動参加 / 社会関係資本 / アンケート調査 / 統計的分析 / 地域特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ボランティア活動参加と社会関係資本(地域の人間関係のネットワークへの包摂、他者への信頼、助け合いの規範)の関係を明らかにする目的でアンケート調査を実施した。過去1年間のボランティア活動への参加経験の有無に関して、定住性の高い地域では、人間関係のネットワークに包摂されているかどうかという1つの要素だけが、人口流入の激しい地域では、ネットワークへの包摂の程度に他者への信頼の程度を加えた2つの要素が影響しいていた。定住性の高い地域では、人間関係のネットワークに包摂されているものは、そうでないものに比べて、4倍近く、人口流入の激しい地域では、5倍近く、ボランティア活動に参加している可能性が高いことが確認された。人口流入の激しい地域では、他者への信頼が及ぼす影響はネットワークへの包摂に比べて3分の1程度だった。 欧米の先行研究では、ボランティア活動参加には、一般的な他者への信頼が強く影響することが指摘されてきた。今回の調査では、他者への信頼よりも地域の人間関係のネットワークへの包摂の程度の方が強く影響していることが明らかになった。こうした違いは、欧米と日本では、エスニックグループや社会階層による住民の棲み分けの程度が異なること、ボランティア活動の社会への根付き具合に差があること、等によるものと考えられる。今回の調査では、ボランティア活動への参加の意向と過去1年間の参加実績に、大きなギャップがあることも確認された。ボランティア活動に参加してもよいと考えていても、何らかのきっかけがないと実際の行動には結びつきにくい。今回の調査結果から、ボランティア活動を活性化するためには、知り合いからの口コミ情報や勧誘が重要であるという知見を引き出すことができる。
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Research Products
(2 results)