2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Management of the Community Chest in Korea.
Project/Area Number |
17K04237
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
増子 正 東北学院大学, 教養学部, 教授 (80332980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 在檍 新潟青陵大学, 福祉心理学部, 准教授 (40460323)
二瓶 さやか 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 講師 (60453346)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地域福祉 / 共同募金 / 韓国 / マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに整理した韓国型企業募金の調査を基にして、これからの日本における企業募金を確保するためのマネジメントのモデルを検討する。モデルの構築は、マーケティング、広報、スチュワートシップ、コンサルティング、評価、アカウンタビリティなどで構成する。(1)韓国における共同募金のマネジメント:募金事業のマネジメントに関しては、募金戦略の作成から評価にいたるまでのPDCAサイクルが確立している。特に寄付者の管理には、次のような独自のプログラム運営がなされている点で特徴がみられた。①企業寄付のためのマッチングサービス提供:寄付した企業毎に、企業社会貢献報告書を作成するとともに、寄付コンサルティングを実施して寄付企業との関係づくりを形成している。②個人寄付者へのサービス提供:2011年から少額寄付者に対しても寄付した分野、金額などをホームページで公開するとともに寄付者にメール配信をしている。③配分事業のマネジメント:配分金が確実に活かされるように配分を受けた組織に対して当該事業が終了するまでに2回の評価を実施するとともに事業の遂行に関する助言などのスーパーバイズがなされている。また、配分事業のプロセスにも配分の申請、審査、評価をすべてオンライン化して申請手続き等の煩雑さを解消する配慮がなされている。④募金会と保健福祉部の情報連携システムの構築: 行政業務が効率化しているとともに、配分申請及び結果処理が早くなり、寄付者の満足度が向上している。 これらの調査結果から、マネジメントのサイクルをモデル化することができた。a.組織づくり、b.地域の福祉課題を発見して、c.課題解決の目的の共感者を募り、d.結果の報告と感謝を循環させているのが韓国における共同募金のマネジメントの特徴であることがわかった。
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