2019 Fiscal Year Research-status Report
生活困窮世帯の特徴分析に基づく予防的支援に関する研究
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17K04286
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
西垣 千春 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (40218144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田宮 遊子 神戸学院大学, 経済学部, 准教授 (90411868)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生活困窮 / 民間福祉事業 / 公的支援 / アンケート調査 / 精神疾患患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
日常生活を維持することが困難になった生活困窮者の方の生活実態および支援につながった方のその後の生活状況を把握するために、アンケートによる調査を行った。調査の対象は、大阪府社会福祉協議会社会貢献推進室が事務局を担う大阪府生活困窮者レキュー事業のサポートにつながった生活困窮にある方々である。方法としては、相談支援にあたっておられる支援員の方に対象者の方への相談対応の際に調査票を手渡しいただき、郵送による返信とした。返信時に継続調査の協力可否についても確認させていただき、協力者の継続的な調査を実施した。新規の調査は3月末で終了し、現在継続調査のみ行っている。 調査概況は次の通りである。レスキュー事業利用終了直後の時点で第1回調査を実施し、261票の回答を得た。第1回調査回答者に対し、2か月ごとに継続して追跡調査を行った。継続調査へは404票の回答を得た。第1回調査回答者のうち、6割程度が第2回調査も回答していた。第3回以降は、8割以上の回収率となっており、脱落者が減少することがわかった。今後、データの入力の完成後速やかに分析を行い結果を公表する。 併せて生活困窮者の相談対応のデータから、サービス利用者の特性による分析も行なった。2018年度中に生活困窮者レスキュー事業につながったもののうち精神疾患を患う88名についての分析も行った。この結果から、精神疾患患者の医療中断が起きないようにすること、一人暮らしの見守りが必要なこと、若い年齢層の初期の段階での対応とサポートが必要であると考えられた。今後、2019年度のデータの合体を行い、精神疾患患者の状況をさらに分析すると同時に、他の特徴分析も実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生活困窮状況にある方々を対象とする調査であるため、調査の困難性は予想していたが、アンケートの回答は思うように進まず、一定の回答数を確保するために調査機関の延期を行った。相談対応に当たられている支援員のご理解もあり、多くの方を対象として調査への継続協力が実現したために研究期間を延長する判断を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の研究は、大きく二つの目的がある。一つは、公的支援や民間福祉事業の活用が生活困窮にある方々の生活のどのような部分を支えているのか、また課題についても明らかにすることである。これについては継続調査終了とともに、分析を行い結果から見える今後の真のあり方への課題をまとめる予定である。 もう一つは、生活困窮者の特性に応じた支援の在り方を考察するために、2019年度の生活困社レスキュー事業のデータも加え、精神疾患の方に加え、新たな視点での特性を分析する予定である。 今回新型コロナウイルスの影響が社会経済に与えた影響は大きく、調査期間のえんちょうにより、生活困窮状況にある方々の生活状況の変化についてもある程度の分析が可能であると思われ、結果については報告を行っていきたいと考えている。 分析結果は論文にまとめると同時に、支援にかかわる方々の研修を行い研究成果の還元を行う。
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Causes of Carryover |
調査機関の延期により、研究成果発表が見込まれることから、今後の支出を予測して2019年度の支出を抑えたことによる。
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Research Products
(2 results)