2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on preventive support through the analysis on the characteristics of the households suffering poverty
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17K04286
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
西垣 千春 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (40218144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田宮 遊子 神戸学院大学, 経済学部, 准教授 (90411868)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生活困窮 / 民間福祉事業 / 生活保護 / 公的支援 / 精神状態 / 公共料金 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで行ってきた生活困窮に陥った者への調査を継続し、社会保障制度をはじめとした既存の公的支援、および、民間福祉事業が生活困窮の緩和や脱却に果たす役割の検証を行った。同時にコロナ禍における影響についても追跡して検証を試みた。大阪しあわせネットワーク生活困窮者レスキュー事業利用者を対象に、支援終結後、2か月ごとに質問紙調査を実施した。第1回調査回答者297名を対象に、1年から最大1年9か月間にわたり、生活の変化を捕捉した。世帯状況、就業状態、健康状態、所得の種類と程度、光熱水費や公共料金の滞納の有無、社会保障制度の利用状況、生活満足度、人付き合いの頻度、悩みや不安の有無と種類、相談相手等、生活困窮に陥り民間福祉団体の支援を受けて以降の変化を追跡した。公共料金の滞納の有無に関しては、健康状態が悪い場合、単身世帯よりも二人以上世帯で、不就労よりも就労している場合に滞納がある傾向がみられ、時間的経過としては、支援終結から時間が経過するほど滞納の有る世帯の割合は低下するものの、滞納が継続する世帯は約3割にのぼり、新たに滞納が発生する世帯も一定数存在した。 コロナ禍で新たに生活困窮に陥ったものの特性については、性別では男性において、「失業」、女性においては「非正規の仕事減」が原因として多く、若年、中年者の独居、母子世帯の精神状態を含めた見守り体制構築の必要性が認められた。 研究期間の総括としては、公的支援につながったとしても生活困窮に陥る者は多く、生活の変化を把握する仕組みの必要性が明らかとなった。また、急な生活変化による困窮に陥った際、相談場所もわからず生活破綻の危機に陥る世帯も多く、民間の柔軟な対応が、ニーズ変化を把握する貴重な役割を担っておいると判断できた。公共料金の未払いなどの情報をリスク把握に活用するなど、新たな支援策の開発につなげる必要があると考えられた。
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Research Products
(3 results)