2017 Fiscal Year Research-status Report
Development and Sprend of PBL Type Social Skills Training for Support of Homeless People's Working and Independence
Project/Area Number |
17K04331
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
藤本 学 立命館大学, 教育開発推進機構, 准教授 (00461468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 弥生 活水女子大学, 文学部, 教授 (00585101)
具志堅 伸隆 東亜大学, 人間科学部, 教授 (10449910)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ホームレスの就労支援 / スキルトレーニング / 社会適応スキル / 応用演劇 / 感情労働 / 感情調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホームレスが就労を継続するために、社会適応スキルトレーニングの準備を行った。トレーニングプログラムは、挑戦的萌芽的研究(26590138)で開発したプログラムを用いた。この挑戦的萌芽的研究のプログラムは、社会適応スキルのうち「社交性」「機転性」「不当受容」の3スキルを向上させることが確証されている。しかし、「不正受容」にはトレーニング効果が確認されていない。 そこで、2017年度の前半は、劇作家の協力を得て、4スキルを総合的に向上するためのシナリオの開発に取り組んだ。そして、後半は新たに開発したシナリオを用い、就労自立センターに入所するホームレスに対して、スキルトレーニングを実施した。 並行してホームレスに対する質問紙調査を実施した。調査では、社会調整スキルに加えて、上司や同僚、顧客とのやりとりで生じる負の感情に対処する「感情調節方略」に注目した。Hochschild(1983)の提唱した感情労働という概念は、Steinberg & Figart(1999)によって拡張された。この定義によれば、ほぼすべての就労者が感情労働に従事していることになる。ホームレスの社会適応スキルの向上を図る上で、適切な感情調節方略を取ることは重要な意味を持つ。基準として就労者を対象に調査したデータを分析した。その結果、感情調節のうち適応的だと考えられている「再評価」方略は全ての社会適応スキルに正の影響を受けていた。もう一つの「抑制」方略は機転性スキルと不当受容スキルから正の影響を受けていた。また、どちらの方略も、使用者の適応状態は未使用者よりも良好であった。安定した就労状態を維持するためには、労働する中で避けることのできない負の感情を発露するのではなく、機転を利かせてうまく受け流せなければならないということになる。これは、PBL型トレーニングに必要なシナリオ開発に重要な示唆を与えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
社会適応スキルを総合的に伸ばすためのトレーニングシナリオの開発において、慎重を期すため作成とその修正のプロセスを繰り返した。それにより、トレーニング実施開始が想定より三か月遅延したため、本年度は2回の実施になった。 トレーニング以外の基礎データの収集と分析、PBL型トレーニングのための教材化の準備などは順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度に開発したシナリオを用い、1年を通してホームレスに対するスキルトレーニングを実施する。これにより十分なサンプル数を確保した上で、シナリオの効果性の検証を行う。 併せて、感情労働に関する場面を中心に、業種を問わず就労において生じうる問題と、それへの適切な対処方法に関する大規模な調査を実施する。 また、問題集に掲載するシナリオの形式・長さ・本数を決定し、映像として撮影する手段などを確保する。
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Causes of Carryover |
シナリオ開発に慎重を期したため、トレーニングの実施が三か月遅延した。 予算の大半がトレーニングに関わる経費であるため、2017年度に計上していた予算の多くは、2018年度に繰り越されることになった。また、2月実施分の支払いが4月になるため、2017年度は1回分のみ計上されている。 すでにシナリオは完成しているため、2018年度は予定通りトレーニングを実施し、プログラムおよびシナリオの効果性の検証を行いつつ、PBL型トレーニングプログラムとシナリオ集の開発を進めていく。
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Research Products
(2 results)