2021 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a Model to Support the Development of Interpersonal Conflict Resolution Skills in Elementary and Junior High Schools : Focusing on Intentionality in Friendships
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17K04412
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
鈴木 伸子 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70387497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 靖彦 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10314064)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 対人葛藤解決方略 / 友人関係における志向性 / 学級内のからかい場面 / 小中学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず,「高学年児童の学級内のからかい場面における第三者の行動に影響を及ぼす要因」に関する調査結果を日本学校心理学会第23回福岡大会において発表した。主として,1)男女とも場面を不快に捉える児童は仲裁行動を取りやすいこと,2)仲裁行動の割合を高く推測する児童ほど仲裁行動を取りやすく,観衆的行動の割合を高く推測する児童ほど観衆的行動を取りやすいことが示された。結果から,1)児童が場面を不快に捉えることは,からかいの抑止につながること,2)観衆的行動を抑制し仲裁行動を促進するには,児童を取り巻く周囲の他者にも目を向ける必要があると考えられた。 次に,「日本とフィンランドの小中学生の対人葛藤解決方略の特徴とQOL」に関する調査結果を論文化した(愛知教育大学教職キャリアセンター紀要,第7号)。1)両国の小中学生の葛藤解決方略は,児童期には目立たない違いが,青年期前期を境に,日本の自己変化志向,フィンランドの他者変化志向として顕著になること,2)葛藤解決スタイルとQOLとの関連においては,対話を重視した葛藤解決が高いQOLと関連している点は両国に共通していたが,日本の小中学生は,フィンランドの小中学生と比して,クラスメイトとの葛藤解決のあり様がより多領域のQOLと関連することが明らかとなった。結果から,1)日本の小中学生の学校生活におけるクラスメイトとの良好な関係の重要性が改めて確認され,他者を準拠として自分の行動を決めることが多い日本の小中学生が学校生活や友人関係を巡って悩みを抱えやすい状況にあることを示唆していると考えられた。また,2)こうした両国の対人志向性の違いには,学校における児童生徒同士の関係のみならず,学校生活において,相互協調性を重視する日本の教育と相互独立性を重視するフィンランドの教育の違いも影響していることが考えられた。
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Research Products
(3 results)