2022 Fiscal Year Research-status Report
幼児における社会情動的スキルの発達過程-個人差要因を含めた媒介・調整効果の検討-
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17K04418
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
清水 寿代 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (90508326)
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Project Period (FY) |
2018-02-28 – 2024-03-31
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Keywords | 社会情動的スキル / 感情理解 / 抑制機能 / 幼児 / 縦断研究 / 個人差 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会情動的スキルの育成に関するこれまでの研究では,どのような因果関係が社会情動的スキルの増減に影響を及ぼしているのかは明らかにされていない。また近年,海外においては,社会情動的スキルの発達を「個人差」の視点で捉えた上で,その発達に影響する要因を検討する必要があると指摘されている(Santos et.al, 2014)。 清水(2016)は,探索的な研究として4歳,5歳の子どもの社会情動的スキルの変化を調査した。その結果,社会情動的スキルの発達の様態として,①学年初頭は低いが,着実に伸びるタイプ,②学年初頭は低いが,途中で急激に伸びるタイプ,③変化があまり見られないタイプがいることが明らかにされた。 従って,社会情動的スキルの初期値や発達増加率などの個人差を捉えた上で,感情理解力や抑制機能がどのように関連しているかを検討することによって,新たな介入プログラムの開発が期待される。そこで本年度は,社会情動的スキルの初期値(切片)や発達増加率(傾き)の個人差を捉えた上で,感情理解力や抑制機能がどのように関連しているかを検討することにした。 2017年度(1時点目調査)と平成30年度(2,3時点目調査)及び平成31年5月(4時点目調査)のすべてのデータをまとめ,社会情動的スキルの時系列変化に,感情理解力と抑制機能がどのように影響するかについて成長曲線モデルを用いて検討した。 その結果,切片に対する感情理解の影響力は,1.43(p<.01)であったのに対し,傾きに対する影響力は認められなかった。したがって,参加児の感情理解の平均よりも1高い幼児のTime1(10月)における社会情動的スキルは1.43高いことが示された。しかし,社会情動的スキルの伸びと感情理解の関連が認められなかったことから,感情理解以外の要因について更なる検討が必要である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウィルス感染症の拡大によって当初予定していた調査時期が遅れたため,データの分析にも遅れた生じた。このことから,遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,社会情動的スキルの初期値や発達増加率などの個人差を捉えた上で,感情理解力や抑制機能がどのように関連しているかを検討するために,3時点での成長曲線モデルによる解析を実施した。最終年度は,4時点目の欠損値のデータ処理を行ったうえで,成長曲線モデルによる検討を行い,感情理解と抑制機能が社会情動的スキルの個人差に及ぼす影響を検討する予定である。また,研究成果をまとめ,学会誌への投稿や学会発表の準備を進める予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は,コロナウィルス感染症の拡大により,予定していた学会の開催がオンラインになり旅費の利用がなくなったためであった。今年度は,対面開催の学会に参加する予定であることから,予定通りの使用が見込まれる。
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Research Products
(6 results)