2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K04537
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
田村 知子 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (90435107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 伊織 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 准教授 (10568497)
本間 学 中村学園大学, 栄養科学部, 准教授 (40209341) [Withdrawn]
上杉 裕子 呉工業高等専門学校, 人文社会系分野, 准教授 (80644640)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カリキュラムマネジメント / 授業研究 / 生徒参加 / 学習観 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、教室の学習の実践および学校のカリキュラムマネジメントにおける学習者要因、中でも学習者の学習観やそれに基づく行為の解明である。特に、学習の実践づくりへの関与に着目し、可能な方法や程度、その効果、それを実現可能にする条件や促進・阻害 要因、限界性を解明する。 研究1年次には、学習観や学習態度、授業づくりに生徒が関わることについての生徒対象調査(1校を対象群、2校を比較群とする合計3校対象)を、1年生を対象として6月と12月に実施していた。2年次には、その結果を分析して、3回の学会発表を行なった(日本教育工学会、World Association of Lesson Studies(国際学会))。内容は大きく二つで、第一は生徒の学習観の傾向と約半年間での変容についてである。生徒は行為主体性の感覚を持っているが、受身的な学習観も保持していた。その傾向は半年後も同様であった。生徒は他学級を参観することに肯定的であった。第二は学習観を測定する尺度についての検討である。確認的因子分析および信頼性の検討、両尺度間の相関分析を行った結果、一定の信頼性と妥当性が示されると同時に教師の生徒への働きかけが学習観に影響を与えている可能性が示された。この生徒調査は、2年次も引き続き、1年次に対象とした生徒達に対して、1回の調査(12月)を実施し、記述統計量までの分析を終えている。 1年次に、X県の教員対象に、学習者の関与に関する教員の見方・考え方を問う記述式の質問紙調査を実施していたので、このデータについてのテキストマイニング分析を試みている。 最後に、1年次に実施できなかった海外(英国)調査を実施した。ケンブリッジ大学およびレスター大学にて、ワークショップを開催し、研究者と本研究に関する意見交換を行うととともに、英国における生徒参加についてのヒアリングを行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、3中学校対象の生徒調査、海外調査を実施できた。1年次の生徒調査データについての分析を行い、学会発表を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
3年次には、1年次に実施した教員調査のテキストマイニング分析を進め、学会発表、論文投稿につなげていく予定である。さらに、3年間の経年実施予定の生徒調査を今年度も実施する。3年分のデータがそろったところで、経時的変化および3校の比較についての本格的な分析を行い、考察をする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは、研究会議を学会発表の機会を活用して行うなど、旅費を中心に節減したためである。次年度は、まとめの年度であるため、研究会議や研究の過程及び結果の分析に係る経費として効果的に使用していく予定である。
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Research Products
(13 results)