2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K04545
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
相澤 伸幸 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (20331259)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 教育哲学 / 教育学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ニヒリズムの受容能力の形成の実態、さらに今日の教育概念や形態がどのように変容する、あるいはしうるのかについて、教育哲学的に考察することを目的としている。計画の2年目では、計画段階で研究の協力を依頼していた宗教学や社会学を専門とするドイツの教育大学の教員と意見交換を行った。これまでは文献的な調査であったりメール等で打合せをしてきたのだが、直接会ってこれまでの疑問点や微妙な考え方などを知ることができた。やはりヨーロッパの教育では、宗教教育が基盤としてあるために、教育におけるニヒリズムなどのようなことはあまり考察されていないのが実情である。 こうした点を検証するために、実際にドイツの学校や授業をじっくりと見学し、管理職である校長にインタビューをするなど実地的な調査を行った。教育に対する明確なビジョンをもつ管理職の方も、宗教的基盤については特に課題があるとは感じていないのが印象的であった。ただしこれは、地域の事情や環境の影響が大きいのかもしれないというのが本人の分析である。この成果については論文にまとめ発表した。 学会発表については、昨年度行った全国学会でのシンポジウムの原稿をまとめて投稿し、掲載された。さらに別の全国学会でもシンポジウムを行ったり、研究会にて発表するなど、社会的還元を積極的に行った。さらに、それらの成果の一部を反映させた書籍も出版した際には、編者として取り組んだ。 以上のように研究を進めたことによって、編著書で1冊、論文を1編、シンポジウムのまとめ1編、シンポジウム発表1編を成果として公表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外の研究協力者と意見交換をすることができ、また、編著書で1冊、論文を1編、シンポジウムのまとめ1編、シンポジウム発表1編を成果として公表することができたため、2年目であるが順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
教育学におけるニヒリズムの文献調査をさらに進めるとともに、ドイツの教育学について再度調査できるように計画する。
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Causes of Carryover |
調査に必要なノートPCの発注が遅れてしまったことと、スケジュールの都合がつかなかったため、出張を伴う調査が1つ延期になったことにより、結果として次年度使用額が生じてしまった。この点は、次年度には解消されて、計画が遂行できると考えている。
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